現在、環境報告書やCSRレポートを発行することが一般化しつつあります。
それに伴って環境ブランドをいかに形成するかということも注目されています。
しかし、その取り組みも始まって間もないためか、

「企業本体が環境に取り組んでいても、それが社員に広がっていかない。」
このようなことを感じられたことはないでしょうか?
こういった現状を受けて、社員向けの「環境報告書を読む会」を実施する企業も
増えてきました。まず、「社員が自社の取り組みをきちんと知る」ことが大切で
すが、環境に敏感な社員、環境意識をどれだけ培うか。これがキーになってきて
いるように思います。

その方法論もいろいろあると思いますが、社員の中に環境ボランティアを広める
というのも一つの手。当社が2005年度の環境報告書を元に任意186社を調べた結果、約4割の企業が社員の森林や緑化に関するボランティア活動の実施を報告し
ていました。しかし、ひとつ一つの取り組みは10〜50人ほどで、企業全体からみ
たら小さな、一部の社員の取り組みと言わざるを得ないでしょう。また、こうい
ったボランティアに参加する社員は固定していまい、新しい参加者がなかなか集
わず、取り組み事態が広がらない、という悩みをもつ企業も多いようです。

では、どうやって社員のボランティア体験を増やし、広げたらよいのでしょう?
環境への取り組みを推進するという理由があっても、「自発的に申し出る」とい
う意味の「ボランティア」を強制することに抵抗があるという企業も多いのでは
ないでしょうか。

そこでご提案。

「いや〜この前の日曜、森林ボランティアを初めてやってみたんだ。」
「へぇ〜。どうでした?」
「久々に自然の中で体を動かして気持ちよかったよ。それに今、日本の森林って
 伐ってないから問題になっているって知ってた?・・・」

こんな会話のある職場にする。
「あの人もやっているのか。」「なんか楽しそうだなぁ。」と思ってもらう。

人を動かすのは、「身近な実践者」。
つまり、口コミュニケーション(口コミ)が大切なのです。

継続してボランティアを行う人の7割は「職場や身近な友人にボランティア活動を行っている人がいる」という報告もあります。

社内に環境ボランティアに参加した人が
 その体験談を話すような機会はありますか?
あるいは身近な環境問題について
 おしゃべりできるような雰囲気はあるでしょうか?

「環境意識を広げる」雰囲気づくり、職場づくり。

こんな視点で社員に対して仕掛けていくというのはいかがでしょう?
「人間が自然と闘ったり、自然からいろんなものをもらったりして
暮らしているうちに、うまいことできあがった景色なんですよ、これは。」

※高畑勲監督『おもいでぽろぽろ』で田園風景を描写したセリフ

奥多摩での森林ボランティア研修(※)で、山での暮らしを守るために、
駅から徒歩1時間の山中にある家と、山のふもとにある家、二つの家を
行き来しているご夫婦にお会いしました。
 ご主人曰く「この集落にはほかに4世帯がいたけれども、みんな山を
降りていった。しかし、先祖代々受け継いできた山での暮らしを全て
捨てて山を降りるのはもったいない、次の世代に受け継ぎたい」とのこと。

 寒さと傾斜のきつい山での暮らしは、畑の手入れや交通の便など都会
暮らしに比べると大変なことも多いかもしれません。しかし、だからこそ
それをのりきるための知恵があって、その一つ一つがその地域の文化をか
たち作っています。
 たとえば、この集落周辺では米がとれないために雑穀が主食になります。
渋みのある「とち」を使ったとちだんごを食べる、というのも昔の知恵。
独特のよい香りがあるこの料理も失われつつある食文化です。

 都市近郊の山村には廃村になってしまった集落が多くあります。冒頭の
映画のセリフを借りれば、それは人と自然が格闘したり恩恵をうけたりし
た景色がなくなり、数々の知恵、文化がなくなってしまったということ。
くしくも東京の奥多摩という身近な山で多くの集落が廃村になっているこ
とは驚きもあり、惜しい気持ちもします。
 かつての自然と共存していた暮らしには、その土地にある資源を枯らすことなく最大限に活用する知恵や技術があります。こうした昔の知恵を見直し、学んで、伝えることもこれからの森林ボランティアの大きな役割ではないでしょうか。

 森林ボランティアが地元の人々と交流し、忘れ去られていたその知恵を
共有する場をもっと増やすべきだと考えます。当社の経験においてもそうでしたが、ボランティアが時代の流れの中で埋もれつつあるこの知恵に気づくことは、地元の人を元気にさせることにもなります。つまり、都市に住む人は自分達の暮らしや社会を見直す手ががりを得て、地元の人が身近な森林や地域文化の価値を見直す機会になるような交流。森林の整備活動だけでなく、地域も活性化する取り組みが求められています。
 今後、当社としてもこのような場を提供していきたいと考えておりますので、ご関心のある方は是非ご意見ください。

※ 研修については当社HP「つぶやきhttp://spfarm.exblog.jp/」もご覧下さい
「環境教育」「森林教育」
同じ自然の中で行われる教育でも、ずいぶん違うようです。

例えば、同じ森林の中で子どもを対象にした場合だと、
「環境教育」=森林などの自然をフィールドに環境のことを学んでもらう
「森林教育」=森林・林業問題を、体験を通じ子どものころから学んでもらう

この違いから、環境教育をテーマにしたシンポジウムなどの集まりを行うと森林教育に関心がある方がほとんど来ないし、逆に森林教育をテーマにすると環境教育に関心がある方はほとんど来ません。
まるで環境省と林野庁の管轄の違いのようにはっきりしています。
しかし、森林の中で子どもに何か伝えたいという思いは同じではないのでしょうか。
双方とも、とてもいいノウハウが蓄積されています。
例えば、環境教育は自然の中で子どもたちの五感を働かせ、楽しませるいいプログラムをたくさん持っているし、森林教育では森林を取り巻く社会状況を分かりやすく説明し、安全に林業体験ができるプログラムを持っています。

行政の縦割りではないのだから、
もっと情報交換して協力しあえばいいのに…

そんなことを考えている時に
「森林環境教育戦略会議2005in白川郷」(主催:全国森林組合連合会)が開催されました。

おぉ!「環境教育」と「森林教育」が混ざってる!
どんな方が参加するのだろう??と楽しみに参加しました。

・・・やはり両極端の方はあまり来られないのですね。
特に、全森連主催なのに林業関係の方の出席率が良くなかったようです。

ただ決してこのような集まりは無意味なものではなく、
いろいろな成果もありました。
その成果は「白川郷宣言」↓としてまとまっていますので是非ご参照ください。
http://www.zenmori.org/feenet/index.shtml

年1度の集まりで、継続的な動きになるのか疑問です。
集まりやすい東京で各プロジェクトのワーキンググループを作って、
実施スケジュールも決めて・・・
せめて、このぐらいはやりたいところです。

やろうかなぁ…。
先日、森林ボランティアの体験ツアーに行ってきました。
体験の内容はノコギリでの間伐と、森林に親しむ企画など。
40名弱の参加者うち間伐の未経験者がほとんどで、
間伐した本数は4時間で3〜7本/人というところでしょうか…。

林野庁は地球温暖化防止をはじめ、
健全で多面的な機能を発揮する森林を育成するため、
概ね90万ヘクタールの森林を、緊急かつ計画的に整備する
「間伐等推進3カ年対策」を打ち出しています。
その対策を推進するための条件整備として、
「森林環境教育や森林ボランティア活動への支援を通じて、
間伐等森林整備の重要性に対する国民意識を醸成する」とあります。

作業量だけをみると、90万ヘクタールを目標にしているのに、
森林ボランティアのペースでは期待するわけに行かないですよね。
もちろんボランティアでもチェーンソーを使いこなす、
プロ級の技術を持った方もたくさんいますが、
林野庁が期待する森林ボランティアは「国民意識の醸成」なのです。

でも、「国民意識の醸成」が目的なら、
クール・ビズぐらいのムーブメントを起こせないのでしょうか?
林野庁でセンスがないから無理というなら私たちがやるしかありませんね!
当社でもいろいろと企んでいますが、
もしご興味があれば、一緒に仕かけていきませんか?
近年、「私たちは木を植えています」という企業のCMや、
ポスターなどをよく見かけるようになりました。
そこでなぜ植林なの?と思うのは私だけでしょうか。
企業の森林への関わりは植林だけじゃないはずなのに、
なぜ植林が人気なのでしょう?
「木を植える」と「木を伐る」では、だいぶイメージが違うからでしょうか。
では「木を植える」と「木を育てる」では?
どちらかいうと「育てる」の方が責任感を感じられる気がします。
発想の転換ですよね。

例えば、

森林を社員やステークホルダーの教育やリフレッシュの場に使う。
     ↓
社員のチームワークやリーダーシップが育ったり、新しい発想が生まれたりする。
やる気が出て、労働効率が上がる。

二酸化炭素の吸収源として、木を育てる・使う。
     ↓
社会的責任に応えることで企業イメージがあがり、売り上げが伸びる。

企業は営利を目的としています。
たまに「社会貢献と業務が結びつかなくて・・・」と耳にしますが、
ちゃんと利益に結びつく「知識」と「創造力」そして「発想の転換」があれば、
企業と森林はもっと多様な関わり方できるのではないでしょうか。