寄り合いひろば

森林と里山の保全・有効活用を本気で考えるブログ
S.P.FARMが提供する当ブログは、 森林を取り巻くさまざまな立場の方々とつながり、森林と里山の保全・有効活用を実現する「寄り合い」の場です。
S.P.FARMは 都市と農村、企業と森林をつなぎ、新しい “森林活用のかたち”をご提案することで、 日本の森林・里山を有効的に活用する新しい社会システムの構築をめざします。
  「企業との連携による森林再生・活用プロジェクト構想」http://www.sp-farm.com/moriduku.html(S.P.FARMのHP内)も是非ご覧ください。
これからの森づくり?の主体は女性
 先般、ある仕事で北海道登別市にある『NPO法人登別自然活動支援組織モモンガくらぶ』と、苫小牧市にある『NPO法人いぶり自然学校』に取材に行って来ました。両団体ともざっくりと言ってしまうと、自然(主に森林とその周辺地域)をフィールドに、様々な遊びや学びの場を提供しながら人づくりや楽しく住みやすい地域社会をつくる活動を行っています。それぞれの活動にはもちろん特徴や違いがあり、一緒くたに活動内容を説明することはできませんが、私が感じた共通する大きなポイントとして、活動をけん引する主体が女性であること、そしてその活動に協力するボランティアの主体も女性(特に子育て世代のお母さん)、さらにはプログラム等に参加するのも女性(お母さん)とその子供たちであるということだと感じました。(スタッフや協力者には男性お父さん方もいます。)もちろん本格的な林業をするわけではありませんが、子育てにおいて子供たちに自然体験をさせたいというお母さん方の潜在的ニーズを見事にくみ取った活動(アクティビティ等)を提供、発信しつつ、子育てと思って協力・参加する中で、その活動を通じた副産物として、景観的にも美しい多様性のある、人が集まる森をつくっているのです。
男性(特に団塊の世代層)が取り組んでいるような間伐支援隊のような活動とは全く異なりますが、誰もが自由に参加しやすいような仕組みをつくっていることもあり、ネットワーク(絆)、地域づくり、教育、健康・休養といった様々な面から見ても大きな価値のある活動だと感じました。このような活動が全国に広がれば、今まで森に関心・関わりのなかった方(無関心層)等も森に対する見方がずいぶん変わってくるであろうし、森という資源の活用方法も地域ごとに多様化していくのではないかと思います。
恐るべし、女性(特に子育て奮闘中のお母さん方)のパワー!です。

この二つの団体やその活動の詳細につきましては、下記のそれぞれのホームページをご覧になっていただければと思いますし、機会がありましたら是非一度伺ってみてはいかがでしょうか。

NPO法人登別自然活動支援組織モモンガくらぶ   
NPO法人いぶり自然学校

短い時間の取材でしたが、私も森を新たな視点で見ることができました。
| spfarm | - | 10:49 | comments(0) | - | - | - |
「緑の募金」に関する座談会に参加して
当社ではここ数年、林業の改革や担い手の人材育成に関する業務に携わることが多くなっていますが、森林ボランティアやNPO等による森林保全活動をサポートする事業も行っています。むしろ、広い意味で森林に係る事業においては、森林保全活動をサポートする事業のほうが長く、その一つが「緑の募金」活動の啓発・推進に関するものです。

一般的に“募金”というと、広く国民や事業体等からお金を集めることをイメージされる方が多いかと思いますが、「緑の募金」は緑の募金法に基づいて、集めたお金で国土の緑化推進や里山保全、国際緑化等の活動を行うための助成を行っています。「緑の募金」は戦後の荒廃した国土の緑化を推進させることを目的とした「緑の羽根募金運動」が原点であり、長きに渡ってその取り組みが行われています。
その一方で、戦後植栽した樹木(主にスギやヒノキ)も成長し、十数年前からは、森林ボランティア団体やNPO等の役割と活動内容も変わってくるようになりました。このような状況を踏まえ、「緑の募金」の管理・運用を預かっている公益社団法人国土緑化推進機構と相談し、今後の社会動向の変化を見据えた「緑の募金」の有効的な活用のあり方を探るための有識者による座談会を実施しました。(有識者)メンバーは、所属する団体や立場は様々ですが、全員何らかのかたちで国土緑化や地域森林・社会の活性化に資する活動に主体的に取り組んでいる方々です。「緑の募金」の助成については受けたことの有る方と無い方、両方おります。

座談会の中で出てきた共通の問題意識としては、活動する団体の世代交代と活動内容の多様化です。森林ボランティアやNPO団体等の活動が盛んになったのは15年程前からだと思いますが、当時はいわゆる団塊の世代の方々が、定年後を見据えた社会活動の一環として山の整備(主に間伐)等を始めたというものが多くありました。それらの団体の中には、現在も変わりなく活動を続けているところもありますが、扱う木が大きくなる中、加齢と共に体力も落ち、また同世代の集まりで後継者を育成してこなかったということもあり、活動や組織自体が少しずつ弱体化しているという現象が起きています。

また、これまでは間伐等の森林整備を行う団体が多かったのですが、ここ数年は、伐ることから材の有効活用を主とした活動や、行政や企業とも連携し、森林や木を利用した環境教育、森や里山を軸とした地域コミュニティの創生、レクリェーションやセラピー活動などに取り組む団体も増え、さらには活動に参加する方々の年齢層の幅も大きく広がってきています。まさに、植えて育てる活動から森林を有効的に活用する活動が増え、多様化が進んできている状況にあると考えられます。

森林を材として大量に使う(経済活動に貢献する)という点では、林業を生業としている方々が主役になると思いますが、教育、地域づくり、環境保全、健康醸成等の広い意味での社会活動の推進に資(貢献)する役割においては、このような活動に取り組む森林ボランティア団体やNPOの存在が大きくなってきていると思います。そういう意味では、森林ボランティアという呼び方も実態にそぐわなくなってきているように感じます。
そう考えますと、「緑の募金」等の助成金のあり方も、このような状況を踏まえた上でのものになっていくべきだとは思いますが、反面、それらの多様な活動に取り組む団体の中には設立間もない団体も少なくなく、経営や運営がうまくいかず、活動が途中で頓挫したり、団体自体が休眠、解散したりするようことも間々あるようですので、そのような団体に対しては組織づくりのためのサポート等も同時に実施していく必要があると考えます。  

当社がこの問題にどこまで寄与できるかはわかりませんが、今後も問題のさらなる検証と、問題解決に向けた方策を模索していければと考えております。
| spfarm | - | 10:36 | comments(0) | - | - | - |
フォレストマネージャー活動事例集

 平成28年度「緑の雇用」現場技能者育成推進事業の一環として、これまでにフォレストマネージャー(統括現場管理責任者)育成研修に受講された方々の“研修参加後の活動”を取りまとめた『フォレストマネージャー活動事例集(発行:全国森林組合連合会)/取材・原稿執筆・編集:当社』が発刊となりました。フォレストマネージャーは、「緑の雇用」事業における現場技能者の中で最も高度な知識と技術を保有する者として位置づけられ、平成28年12月末時点で約400名もの方々が研修終了者として農林水産省に登録されています。

一方で、画一されたフォレストマネージャーの姿があるわけでないことから、以前より実際にフォレストマネージャーがどのような活動を行っているのか、あるいは所属する事業体の中でどのような位置に置かれ業務を担っているのかわからない等の声が多く聞かれました。そこで本誌では、北海道から鹿児島県まで全国14の林業事業体に所属するフォレストマネージャーを取材し、研修参加のきっかけ、研修で得られたことや感想、研修以降における取り組み(フォレストマネージャーとしての活動)、成果や課題、今後の目標等について紹介することにしました。フォレストマネージャーの業務は、地域性や事業体の特徴、規模、置かれている立場で大きく異なり、それぞれに苦労や工夫があることがわかります。

当社では、当該研修事業にも当初から関わらせていただいており、取材した方々とは面識はあるものの、やはり研修という現場であったため、個々の業務の詳細まで知り得ることはできませんでした。しかし、今回改めて所属する事業体に伺い、取材し、一対一で話を聞かせていただく中で、すべての方々が所属する事業体を背負っている立場にあり、またその覚悟と責任を持って業務に就いているということを痛感することができました。ある意味、“感動した!”と言っても過言ではありません。

今回は予算と時間の都合もあり、14名のフォレストマネージャーの紹介に留まりましたが、全国には他にも様々なかたちで活躍するフォレストマネージャーがたくさんいるはずです。そのような方々の考えや日頃の取り組みを、どのようなかたちであれ数多く紹介(周知)することができれば、フォレストマネージャーの社会的地位の向上や、次にフォレストマネージャーを目指すフォレストリーダーやワーカーのモチベーションの向上、林業従事者(担い手)の増強にもつながるのではないかと考えます。

また一方で、取材の中でフォレストマネージャー研修のさらなる充実に向けた期待が大きいということも判明しました。とりわけ、林業技術の取得から“監理者”としての高度な能力(例えば全体コストの把握と活用、組織・チームづくり、組織内教育、全体マネジメント他)の習得に対するニーズが高いようです。そういう意味では、平成23年度(準備期間を加えると平成22年度)に策定された現研修カリキュラムを見直す時期になってきたのかもしれません。いずれにしましても、如何にして受講生の身になる研修にしていくかという点については、研修の企画実施者にとっての重要な使命だと考えますので、次年度以降も研修事業に関わらせていただけるのであれば、それをしっかりと踏まえ、常に最善を尽くせるよう取り組んでまいりたいと思います。
| spfarm | - | 11:36 | comments(0) | - | - | - |
今年度の日本型フォレスター(森林総合監理士)育成事業を終えて
 平成23年度から開始された日本型フォレスターの育成事業も、今年度で一段落を迎えます。これまでは林野庁の委託事業として、受託者が研修会場等を確保し、中央研修(主に都内で実施)とブロック研修(北海道・東北・関東・中部・近畿中国・四国・九州の7ブロック)に分け、内外部の講師やファシリテーター(フォレスター研修ではプロセスマネージャーと言う)、専門の研修運営スタッフを確保して研修の進行と運営にあたってきましたが、この事業は今年度で終了となります。ただ、フォレスターの育成そのものが終了になるということではないようです。規模等を縮小しながらも、委託事業とは性格の異なる体制で引き続き研修が行われるようです。

 当社としましても、当事業に当初から関わらせていただいたということもあり、このようなかたちになることに対して少し残念な思いはありますが、この5年間で出会った講師、研修生、進行・運営に係るスタッフの皆様からはたくさんのことを学ばせてもらいましたし、ネットワークづくりという面でも大きな広がりができました。それについては本当に感謝の気持ちでいっぱいです。反面、そこで学んだことや築いたネットワークを当社の強みとして、今後にどう活かしていくのかということが新たな課題であり、また挑戦でもあると思っています。

 幸いにして当社では、フォレスター育成事業よりも以前から、森林施業プランナーや「緑の雇用」の現場技能者の育成に係る事業に継続して関わらせていただいているということもあり、森林・林業の改革や発展を担う様々な立場におけるキーマンとなる方々とも繋がりを持つことができました。その中には、既に研修の講師やアドバイザーとして、幅広い場面で活躍されている方々もいます。そのような方々を必要としている地域や場面で、その能力を発揮していただくための機会を設定、コーディネートすることも私共の役目だと思っています。それは単に講師やアドバイザーを紹介するというものではなく、必要としている地域や場面の状況や実態を把握し、さらにはそれぞれで(※)抱えている問題(困っている状況そのもの)を検証・分析をした上で、誰にどのような指導やサポートをお願いするかの設計段階から提案できるようなものを目指していきたいと考えています。

ただ、キーマンとの繋がりができたといえ、それはまだまだ一部の方々に過ぎないとも思っています。また社会動向の変化によって必要とされるキーマンというのも変わってきます。
当社としましては今後も引き続き、様々な方々との出会いを大切にし、新たなキーマンの発掘や関係性の構築に努め、森林・林業の改革や発展に少しでも寄与できるような企画・コーディネーターとしての役割を担っていきたいと考えています。

(※)これまでの研修や個別事業体へのサポートを行ってきた中で、組織等の根底にある問題をきちんと検証しないまま、既存の研修等に職員を参加させ、それで問題が解決すると理解している方々が少なからずおり、それでは問題解決にならないため。
| spfarm | - | 12:24 | comments(0) | - | - | - |
2年ぶりのキープ協会での認定森林施業プランナー研修
認定森林施業プランナーを対象とした『提案力ブラッシュアップ研修』が10月25日〜27日の3日間、山梨県の清里にある公益財団法人キープ協会で開催されました。当研修は今後の森林施業プランナーに必要な提案力、その基本となるコミュニケーション力(聴く・引き出す力、わかちあう力、良い関係になる力)とプレゼンテーション力(伝える力、営業する力、説得する力、合意形成を図る力)を高めることを目的とした研修です。キープ協会の協力を得て実施する理由は、五感を通じた学びの場とアクティビティの数が多くその質が高いこと、さらには伝え方の技術(講師力)に長けていることにあります。また、一見林業技術に直接関わらないようなテーマなだけに、これまで行ってきた研修地(主に林業先進地)とは全く異なる環境で行うことで、より研修の成果を高めたいという狙いもあります。

当該研修は、実は2年前にも同様に実施しました。その際は初回ということもあり15名という比較的コンパクト(当研修のテーマと目的達成を考えると適切な人数の範囲)なものでしたが、参加者へのアンケート結果で高評価を得られたこともあり、今回は30名の募集定員が直ぐに埋まるほどの盛況ぶりを見せていました。初日に小海線(清里駅に通ずる唯一の公共交通機関)の大幅遅延というトラブルに見舞われ、プログラムの一部短縮や変更を余儀なくされましたが、スタッフそして参加者の皆さんの協力によって何とか無事に研修を修了することができました。ただ、正直なところプログラムの短縮や変更が無ければもっと参加者の理解度や満足度が高められたと思いますし、予期せぬトラブルに十分に対応しきれていない自分に対しまだまだ力不足であると感じた次第です。

本テーマ(コミュニケーション力やプレゼンテーション力の向上)に係る研修に対するニーズはここ数年急速に高まってきています。その一方で、実施する機会や場所、カリキュラム、テキスト、講師等が不足しているのも事実です。無論、都市部に行けば一般的なコミュニケーションやプレゼンテーションをテーマにした企業(社会人)研修等を実施しているところはありますし、そこから学べることも多いと思いますが、やはりプランナー独自(フォレストワーカーやリーダー、マネージャー、フォレスター等も同様)の立場・役割に即した一歩踏み込んだ“学びのかたち”や“学び方”があるべきだと思っています。

そしてまた、それらを開発・実践していくことが当社に課せられた使命ではないかと自負しております。その一方で、それらは当社だけでできるとも思っておりません。特に大学や林業大学校などの専門の教育機関の協力を得る必要があると考えています。昨今、少しずつですが、そのネットワークも出来てきましたので協力を取り付けながら進めていくつもりでおります。
また、今後は経営力、マーケティング力、会計力、コーディネート力、コーチング力、リーダーシップ力等これからの林業界の発展に資する専門的能力を身につけるための場や機会に対するニーズも高まってくると思います。それらに対応するには、やはり産官学のさらなる連携強化が重要になってきます。林業界を支え、発展させていくのは“人である”ということ再認識し、次のステージにおける人材育成のあり方を早急に編成する必要があるものと考えます。
| spfarm | - | 09:30 | comments(0) | - | - | - |
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