寄り合いひろば

森林と里山の保全・有効活用を本気で考えるブログ
S.P.FARMが提供する当ブログは、 森林を取り巻くさまざまな立場の方々とつながり、森林と里山の保全・有効活用を実現する「寄り合い」の場です。
S.P.FARMは 都市と農村、企業と森林をつなぎ、新しい “森林活用のかたち”をご提案することで、 日本の森林・里山を有効的に活用する新しい社会システムの構築をめざします。
  「企業との連携による森林再生・活用プロジェクト構想」http://www.sp-farm.com/moriduku.html(S.P.FARMのHP内)も是非ご覧ください。
フォレストマネージャー活動事例集

 平成28年度「緑の雇用」現場技能者育成推進事業の一環として、これまでにフォレストマネージャー(統括現場管理責任者)育成研修に受講された方々の“研修参加後の活動”を取りまとめた『フォレストマネージャー活動事例集(発行:全国森林組合連合会)/取材・原稿執筆・編集:当社』が発刊となりました。フォレストマネージャーは、「緑の雇用」事業における現場技能者の中で最も高度な知識と技術を保有する者として位置づけられ、平成28年12月末時点で約400名もの方々が研修終了者として農林水産省に登録されています。

一方で、画一されたフォレストマネージャーの姿があるわけでないことから、以前より実際にフォレストマネージャーがどのような活動を行っているのか、あるいは所属する事業体の中でどのような位置に置かれ業務を担っているのかわからない等の声が多く聞かれました。そこで本誌では、北海道から鹿児島県まで全国14の林業事業体に所属するフォレストマネージャーを取材し、研修参加のきっかけ、研修で得られたことや感想、研修以降における取り組み(フォレストマネージャーとしての活動)、成果や課題、今後の目標等について紹介することにしました。フォレストマネージャーの業務は、地域性や事業体の特徴、規模、置かれている立場で大きく異なり、それぞれに苦労や工夫があることがわかります。

当社では、当該研修事業にも当初から関わらせていただいており、取材した方々とは面識はあるものの、やはり研修という現場であったため、個々の業務の詳細まで知り得ることはできませんでした。しかし、今回改めて所属する事業体に伺い、取材し、一対一で話を聞かせていただく中で、すべての方々が所属する事業体を背負っている立場にあり、またその覚悟と責任を持って業務に就いているということを痛感することができました。ある意味、“感動した!”と言っても過言ではありません。

今回は予算と時間の都合もあり、14名のフォレストマネージャーの紹介に留まりましたが、全国には他にも様々なかたちで活躍するフォレストマネージャーがたくさんいるはずです。そのような方々の考えや日頃の取り組みを、どのようなかたちであれ数多く紹介(周知)することができれば、フォレストマネージャーの社会的地位の向上や、次にフォレストマネージャーを目指すフォレストリーダーやワーカーのモチベーションの向上、林業従事者(担い手)の増強にもつながるのではないかと考えます。

また一方で、取材の中でフォレストマネージャー研修のさらなる充実に向けた期待が大きいということも判明しました。とりわけ、林業技術の取得から“監理者”としての高度な能力(例えば全体コストの把握と活用、組織・チームづくり、組織内教育、全体マネジメント他)の習得に対するニーズが高いようです。そういう意味では、平成23年度(準備期間を加えると平成22年度)に策定された現研修カリキュラムを見直す時期になってきたのかもしれません。いずれにしましても、如何にして受講生の身になる研修にしていくかという点については、研修の企画実施者にとっての重要な使命だと考えますので、次年度以降も研修事業に関わらせていただけるのであれば、それをしっかりと踏まえ、常に最善を尽くせるよう取り組んでまいりたいと思います。
| spfarm | - | 11:36 | comments(0) | - | - | - |
今年度の日本型フォレスター(森林総合監理士)育成事業を終えて
 平成23年度から開始された日本型フォレスターの育成事業も、今年度で一段落を迎えます。これまでは林野庁の委託事業として、受託者が研修会場等を確保し、中央研修(主に都内で実施)とブロック研修(北海道・東北・関東・中部・近畿中国・四国・九州の7ブロック)に分け、内外部の講師やファシリテーター(フォレスター研修ではプロセスマネージャーと言う)、専門の研修運営スタッフを確保して研修の進行と運営にあたってきましたが、この事業は今年度で終了となります。ただ、フォレスターの育成そのものが終了になるということではないようです。規模等を縮小しながらも、委託事業とは性格の異なる体制で引き続き研修が行われるようです。

 当社としましても、当事業に当初から関わらせていただいたということもあり、このようなかたちになることに対して少し残念な思いはありますが、この5年間で出会った講師、研修生、進行・運営に係るスタッフの皆様からはたくさんのことを学ばせてもらいましたし、ネットワークづくりという面でも大きな広がりができました。それについては本当に感謝の気持ちでいっぱいです。反面、そこで学んだことや築いたネットワークを当社の強みとして、今後にどう活かしていくのかということが新たな課題であり、また挑戦でもあると思っています。

 幸いにして当社では、フォレスター育成事業よりも以前から、森林施業プランナーや「緑の雇用」の現場技能者の育成に係る事業に継続して関わらせていただいているということもあり、森林・林業の改革や発展を担う様々な立場におけるキーマンとなる方々とも繋がりを持つことができました。その中には、既に研修の講師やアドバイザーとして、幅広い場面で活躍されている方々もいます。そのような方々を必要としている地域や場面で、その能力を発揮していただくための機会を設定、コーディネートすることも私共の役目だと思っています。それは単に講師やアドバイザーを紹介するというものではなく、必要としている地域や場面の状況や実態を把握し、さらにはそれぞれで(※)抱えている問題(困っている状況そのもの)を検証・分析をした上で、誰にどのような指導やサポートをお願いするかの設計段階から提案できるようなものを目指していきたいと考えています。

ただ、キーマンとの繋がりができたといえ、それはまだまだ一部の方々に過ぎないとも思っています。また社会動向の変化によって必要とされるキーマンというのも変わってきます。
当社としましては今後も引き続き、様々な方々との出会いを大切にし、新たなキーマンの発掘や関係性の構築に努め、森林・林業の改革や発展に少しでも寄与できるような企画・コーディネーターとしての役割を担っていきたいと考えています。

(※)これまでの研修や個別事業体へのサポートを行ってきた中で、組織等の根底にある問題をきちんと検証しないまま、既存の研修等に職員を参加させ、それで問題が解決すると理解している方々が少なからずおり、それでは問題解決にならないため。
| spfarm | - | 12:24 | comments(0) | - | - | - |
2年ぶりのキープ協会での認定森林施業プランナー研修
認定森林施業プランナーを対象とした『提案力ブラッシュアップ研修』が10月25日〜27日の3日間、山梨県の清里にある公益財団法人キープ協会で開催されました。当研修は今後の森林施業プランナーに必要な提案力、その基本となるコミュニケーション力(聴く・引き出す力、わかちあう力、良い関係になる力)とプレゼンテーション力(伝える力、営業する力、説得する力、合意形成を図る力)を高めることを目的とした研修です。キープ協会の協力を得て実施する理由は、五感を通じた学びの場とアクティビティの数が多くその質が高いこと、さらには伝え方の技術(講師力)に長けていることにあります。また、一見林業技術に直接関わらないようなテーマなだけに、これまで行ってきた研修地(主に林業先進地)とは全く異なる環境で行うことで、より研修の成果を高めたいという狙いもあります。

当該研修は、実は2年前にも同様に実施しました。その際は初回ということもあり15名という比較的コンパクト(当研修のテーマと目的達成を考えると適切な人数の範囲)なものでしたが、参加者へのアンケート結果で高評価を得られたこともあり、今回は30名の募集定員が直ぐに埋まるほどの盛況ぶりを見せていました。初日に小海線(清里駅に通ずる唯一の公共交通機関)の大幅遅延というトラブルに見舞われ、プログラムの一部短縮や変更を余儀なくされましたが、スタッフそして参加者の皆さんの協力によって何とか無事に研修を修了することができました。ただ、正直なところプログラムの短縮や変更が無ければもっと参加者の理解度や満足度が高められたと思いますし、予期せぬトラブルに十分に対応しきれていない自分に対しまだまだ力不足であると感じた次第です。

本テーマ(コミュニケーション力やプレゼンテーション力の向上)に係る研修に対するニーズはここ数年急速に高まってきています。その一方で、実施する機会や場所、カリキュラム、テキスト、講師等が不足しているのも事実です。無論、都市部に行けば一般的なコミュニケーションやプレゼンテーションをテーマにした企業(社会人)研修等を実施しているところはありますし、そこから学べることも多いと思いますが、やはりプランナー独自(フォレストワーカーやリーダー、マネージャー、フォレスター等も同様)の立場・役割に即した一歩踏み込んだ“学びのかたち”や“学び方”があるべきだと思っています。

そしてまた、それらを開発・実践していくことが当社に課せられた使命ではないかと自負しております。その一方で、それらは当社だけでできるとも思っておりません。特に大学や林業大学校などの専門の教育機関の協力を得る必要があると考えています。昨今、少しずつですが、そのネットワークも出来てきましたので協力を取り付けながら進めていくつもりでおります。
また、今後は経営力、マーケティング力、会計力、コーディネート力、コーチング力、リーダーシップ力等これからの林業界の発展に資する専門的能力を身につけるための場や機会に対するニーズも高まってくると思います。それらに対応するには、やはり産官学のさらなる連携強化が重要になってきます。林業界を支え、発展させていくのは“人である”ということ再認識し、次のステージにおける人材育成のあり方を早急に編成する必要があるものと考えます。
| spfarm | - | 09:30 | comments(0) | - | - | - |
鹿児島大学主催の『高度林業生産システムを実現する「林業生産専門技術者」養成プログラム』に参加して
文部科学省の事業の一環として、鹿児島大学が『高度林業生産システムを実現する「林業生産専門技術者」養成プログラム』という研修を行っています。素材生産現場における高度な専門技術者の養成を目的とし、社会人を対象としたプログラムで、年間を通じて4つの必修科目(80時間)と7つの選択科目から4科目(40時間)を受講します。全科目を受講・修了した方には学校教育法第百五条に規定する「履修証明書」が発行され、森林分野のCPDポイントの取得の他いくつかの特典を得ることができます。

この研修に、プログラムを検証するコーディネーターという役割で先日参加する機会を得ました。科目は「林業事業体会計」という今年度から新設されたもので、1泊2日10時間の研修です。研修内容については担当する講師をはじめ、数人のワーキンググループ(私も参加)にて事前に検討しました。想定した受講対象者が統括現場技術責任者ということで、単なるコスト管理ではなく、「経営にも目を向けた会計管理とは何か」ということを軸に置いた研修にすることになりました。

当日の研修生は12名、鹿児島、宮崎、熊本の各県の民間事業体、森林組合からの参加、想定した受講対象者の方もいればまだそこまでの役割を担っていない方もいました。当科目の講師はマルカ林業株式会社の新永智士氏。講義とワークの時間をうまく構成して、飽きさせない、集中できる双方向型の研修となるよう工夫して実施されていました。
また、これまで私が関わった統括現場技術責任者の研修では、一つの現場におけるコスト管理の重要性とその方法について学ぶことがほとんどでしたが、業務全体の会計管理、その先に経営があるという視点がいかに重要かという、まさしく研修の狙いが研修生にも理解された内容になっており、私にとっても大きな気づきとなりました。他方、参加者が会計と経理の業務の違いをどこまで理解しているのか、またその業務分担が事業体によって異なる為、自分ごととしてどこまでリアリティを持って受講できたか、その点がやはり気になりました。研修後の反省会では、その実態を踏まえその溝を埋めていけるよう再構築していこうということになりました。

いずれにしましても、統括現場技術責任者にはこの「林業事業体会計」という視点を持って業務管理を行っていくことは重要であり、全国規模の研修でも取り入れていく必要があると改めて感じた次第です。
また、研究機関の一つである大学がカリキュラム(プログラム)を幅広く民間企業等と協働で開発、実施、検証・分析するこのスキームも、より高度かつ現場に即した人材育成を行う上で非常に有効なことだと思います。今後、全国レベルでこのような取り組みが増えていけばよいと思いますし、私も積極的に参画していければと考えております。
| spfarm | - | 14:26 | comments(0) | - | - | - |
平成28年度の森林総合監理士育成研修を終えて
 今年度の私が担当する森林総合監理士育成研修が終了しました。本研修は、準フォレスター研修を含めますと今年で6年目となります。この間の受講者数も推計で約2,000名となり研修事業も一つの節目を迎えるようです。私は運よく当初から本研修に関わることができ、その経緯、変化を見ることができました。ドイツのフォレスターを目標に置きながらも、全産業における林業の位置づけ、社会制度、風土・風習等の違いから「日本型フォレスター」の在り方をずっと探ってきたように思います。国の施策としては林業普及指導員の上級指導者として森林総合監理士(フォレスター)を位置づけられていますが、実際にどのような役割でどのような任務を果たすのかということについては明確に定められていません。森林総合監理士になる者は国や都道府県、さらには市町村の職員等いわゆる公務員の方々と、それ以外の民間事業体等に所属されている方々など、置かれている立場が様々であり、それぞれに期待される役割が異なるというのが理由の一つです。

しかし、実際に本研修を受講した、あるいは正式に認定制度試験に合格・登録している方(700名強)の大半は公務員の方々で、どのくらい各地域で森林総合監理士の業務を行っているかというのもあまり知られていません。公務員であれば2〜3年もすれば異動等で担当が変わり、森林総合監理士の業務とは全く異なる仕事に就くことも頻繁にあり、成果を挙げにくいということも背景にあります。また、森林総合監理士をどのような位置づけにするかは国や地方自治体の考え方によって大きく異なり、組織の問題で活動の機会を設けることができないという状況に置かれている方も多く存在します。中には自助努力やチームをつくるなどして継続的な活動を実施し成果を挙げている人もおりますが、全体の割合からすると極わずかというのが実態なのです。

一国民として、また特に森林・林業の再生を願う人からすると、それで良いとは決して言えません。少なくとも、これまで森林総合監理士を目指した人には、きちんとその役割を担っていただきたいですし、それができるよう各自治体も努力・工夫してもらいたいと思います。その上で、やはり制度的に公務員がその役割を果たすことが困難なのであれば、民間の森林総合監理士の育成にもっと力を注ぐべきだと考えます。これまでの本研修の設計、カリキュラム、内容等はやはり公務に視点を置いたものとしてつくられており、民間の方々には馴染まないことが多分にあるように思います。実際の民間の研修参加者からもそのような声が多く聞かれました。

あくまでも私見ですが、私は今後の森林・林業の再生の要は民間の森林施業プランナーだと思っています。昨今、森林施業プランナーの能力や意識も高まり地域に根付いた取り組みをしっかり行っている方々が増えてきました。彼らに強い志を持ってもらい、もうワンランク上のステージで業務を遂行してもらう仕組みをつくることで、林業・木材産業を基盤とした地域創成に一段と近づくのだと思います。無論、公務員の森林総合監理士を否定するのではなく、お互いの強みと弱みを活かし補いながら取り組むことを前提とします。
公務員の森林総合監理士の人数がある程度確保できた今日において、彼らができないことを補い連携していける立場の違う森林総合監理士を育成していくことが、これまで行ってきたことを無駄にしない、あるいはそれを活かす方策なのだと思います。

人材育成は時間もかかり成果も見えづらいものです。でも私は、この6年間で確実に変わってきたと実感しています。林業4人材と言われる方々の能力は随分高まってきています。あとはこれをどう繋ぐか、あるいはシステム化するか、併せてそれを機能・発展させる新たな人材をどう育成するかということなのだと思います。
これは“待ったなし”です。今やらなければその先もできません。
是非とも多くの方々と知恵を出し合い構築していきたいと考えています。
| spfarm | - | 10:00 | comments(0) | - | - | - |
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