今、「エネルギー」という言葉からまず連想されるのは、ガス・電気・石油といったものかもしれません。
しかし、少し時代を遡れば、社会が必要とするエネルギーの多くを炭や薪といった日本の森林資源でまかなっていました。また今でこそ、そのほとんどが輸入材を原料とする紙類も1960年代まで、その原料は国産材でした。

森林はエネルギーや物質を生産する機能を持ちます。
鉄筋コンクリート建築の普及や石油の活用が一般化する中で、日本における木材の消費量は1973年をピークに減少傾向にあるものの、私たちの経済社会は現在でも、莫大な森林資源を必要としていることには変わりはありません。
しかしその一方で、日本の森林は大きく変化しました。
日本で消費される森林資源が輸入材になり、木材を切り出しても採算が合わなくなった日本の森林(人工林)は、必要な整備作業が滞っているために荒廃しているのです。

それは、二酸化炭素を吸収するなど、森林が持つ多機能性の低下につながります。

この状況を受けて、林野庁は、平成17年度から「木づかい運動」と名づけた国民運動を展開しています。国産材を活用することが人工林の荒廃をくいとめ、森林がもつ多機能性を維持するために重要だからです。このような動きの中でも、企業による取り組みが期待されています。

すでに一部の企業では間伐材商品を積極的に購入したり、燃料資源としての木質バイオマスの利用を進めるなどの先進的な取り組みに着手しています。このような国産材の利用は新しい地方産業づくりや地域社会の活性化にも貢献できます。

近年、「国産材=コスト高」という既成概念も一部崩れてきている中で、環境保全や社会貢献といった視点からも木材や国産材の価値を捉えなおすることが必要です。
今までの発想を転換すれば、社会における企業価値やブランドイメージの向上につながる国産材の活用も見えてきます。

企業活動と森林資源との関わりは今も昔もその消費という観点から切っても切れないものです。しかしそれが、再生産可能な森林資源を荒廃させたり、枯渇するまで森林資源を消費し続けるといった関わりであっては持続的な社会に貢献する企業とは言えません。
これからの企業には、国産材の利活用を通して、日本の森林の健全化や石油製品に変わるバイオマス資源の普及に貢献するといった、森林との新しい関わりを見出すことが必要ではないでしょうか。