寄り合いひろば

森林と里山の保全・有効活用を本気で考えるブログ
S.P.FARMが提供する当ブログは、 森林を取り巻くさまざまな立場の方々とつながり、森林と里山の保全・有効活用を実現する「寄り合い」の場です。
S.P.FARMは 都市と農村、企業と森林をつなぎ、新しい “森林活用のかたち”をご提案することで、 日本の森林・里山を有効的に活用する新しい社会システムの構築をめざします。
  「企業との連携による森林再生・活用プロジェクト構想」http://www.sp-farm.com/moriduku.html(S.P.FARMのHP内)も是非ご覧ください。
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企業と森林の関わり 〜生物多様性編
日に150〜200種の生物が絶滅している―。
現在、かつてないスピードで生物種が絶滅する大絶滅期にあると言われ、国連環境計画(UNEP)は上記のような推定値を発表しています。また、92年の地球サミットでは「生物多様性条約」が採択され、2006年4月現在、日本を含む187か国及びECが締結国として「2010年までに生物多様性の損失速度を顕著に減少させる」という目標を掲げており、日本政府は「新・生物多様性国家戦略」を策定しています。

一方、産業界における生物多様性保全への取り組みは数限られているようです。
生物多様性条約締結会議は民間企業について「その活動が生物に重大な影響を与えているものの、条約実施への貢献が最も少ない利害関係者である」と指摘しています。

まず、自然資源や生物資源を利用する企業は、食品業界以外にも工業、医薬品、燃料など数を挙げれば切りがなく、それだけでも企業にとって生物多様性は考慮すべき課題です。また生物資源は質的にも注目されており、医薬品などはその3〜4割が生物由来です。今一刻と絶滅する生物種数の増加を考えると、私たちの経済・社会に有益な資源をみすみす失っていることになります。生物資源を従来から使用、消費し、また将来にわたっても利活用するだろう企業にとって、生物多様性保全というテーマは国際世論の動きとともに今後ますます大きな課題になってくるはずです。

さらに、生物多様性がもたらす恩恵は上記のような資源だけではありません。

生物多様性が豊かであるといわれる日本は、多雨で比較的温暖な気候、細長く標高差が大きい島国という地形で、その多様な環境条件に生き物がそれぞれ適応することで、多様な生物群を有しています。そして、その多様な環境条件は人間社会に、その地に生きるための知恵や伝統、そして文化をもたらしてきました。その良い例が里山や里山文化です。

実に日本における絶滅危惧種の約5割は里山に生息しています。
その直接的な原因は近代化や都市化が進み、里山が放置されていることですが、本質的な要因はその生産活動が地域の自然環境と調和していた生活文化を捨ててしまったことにあります。それはまさに資源を枯渇させることのない持続可能な社会への大きなヒントとなる生活文化であったと言えます。今、持続可能な開発や社会の実現を目標に掲げる企業にとって、このような里山や里山文化を再評価し、保全する意義は小さくはありません。

生物多様性が私たち人間にもたらす恩恵は計り知れないものです。
企業も同様にその恩恵を享受しており、現在危機にさらされている生物多様性保全への貢献が期待されています。

里山の保全活動は、単なる特定の絶滅危惧種保全に留まらず、かつて私たち日本人が持っていた持続可能な社会モデルについて学び、その実現に資することでもあります。

それは里山の雑木林に限ったことではなく、かつて建材などを供給していた人工林も適切な管理と受光条件によっては土地本来の広葉樹が育つなど生物多様性を確保しながらの森林管理が可能といわれており、今後はそういった施策や森づくりが求められます。

生物多様性を正しく理解しているか、どうか。
企業の環境経営や社会貢献活動についてそれを問う社会が、もうすぐそこまで来ているのではないでしょうか。
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