寄り合いひろば

森林と里山の保全・有効活用を本気で考えるブログ
S.P.FARMが提供する当ブログは、 森林を取り巻くさまざまな立場の方々とつながり、森林と里山の保全・有効活用を実現する「寄り合い」の場です。
S.P.FARMは 都市と農村、企業と森林をつなぎ、新しい “森林活用のかたち”をご提案することで、 日本の森林・里山を有効的に活用する新しい社会システムの構築をめざします。
  「企業との連携による森林再生・活用プロジェクト構想」http://www.sp-farm.com/moriduku.html(S.P.FARMのHP内)も是非ご覧ください。
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企業と森林の関わり 〜土砂災害防止/土壌保全機能編
先月は、人工林の整備が行き届かなくなったことを背景に、「水」に関する森林の機能が危ぶまれていることにふれました(「企業と森林の関わり 〜水資源編」)。

しかし、森林の整備不足は同様に、「土」に関する機能も低下させています。

雨が降ったときの森林地帯と裸地(何も植生のない土地)の土砂流出量を比べると、森林は裸地の1000倍も土砂の流出を防ぐといわれています。
しかし、それも「森林の下層植生や落枝落葉が地表の浸食を抑制するとともに、森林の樹木が根を張り巡らすこと」によってはじめて機能します。

枝打ちや間伐などといった整備がなされないために、暗く、“もやし”のような細い木が密生している森林では、下層植生といわれる下草が生えることなく、また木々が根をのびのび太く長く伸ばせるはずもありません。つまり、下草が生えない森林では土砂の流出を防ぐ機能が低下せざるを得ないのです。

異常気象といわれる集中豪雨とあいまって、大規模な土砂崩れがたびたび報道されており、今後も山間部の土砂災害が懸念されます。それは長い時間をかけてつくられてきた土が流されることで、人に関わる災害だけでなく、森林の中に生き物が住む場所がなくなることも意味します。

本来、豊かな生態系を持つ森林が一度造林された後に放置され、日が差さないことから次第に生き物が住めない場所となり、さらには木々を支える土すら流出して少量の雨でも土砂崩れが起きる・・・

このようなことが現実に起こりはじめています。

この問題は一見、企業とは関わりないと思われがちです。
しかし、良質の大気や水を大量に必要とする製造業を営む企業は、山間部に工場を所有しています。そして、当然その周辺には工業で働く従業員やその家族、地域住民が生活しています。
普段あたりまえのように存在する森林であっても、大雨や地震などによる土砂災害が起きれば、その地域の産業基盤や生活基盤に大きな打撃を与えることになります。

さらに、その影響は山間部だけでなく下流域へ及ぶことも考えられるのです。その懸念の大きさは世論調査にも表れており、地域住民が最も期待する森林の機能とは、調査が始まって以来一貫して、土砂災害といった「災害防止機能」という結果になっています(内閣府「森林と生活に関する世論調査」)。

つまり企業にとって、森林の「土」を保持する機能を保全する取り組みとは、
単に地域環境を保全するだけではなく、企業自身の産業基盤の安定化や地域社会の保全に寄与するという意味を持つのです。
まさしく、今後の取り組みとして検討すべきCSR活動と言えるのではないでしょうか。

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