森林保全や林業に関わる仕事をしていると、年に何回かはほとんど観光では行かないであろう山村地域に出向かせていただくことがあります。仕事の内容は森林保全を行う団体や林業事業体への調査や取材、研修、個別のサポート等です。どのような仕事、団体、事業体であっても直接現地に行って得られる情報は、我々にとっても非常に貴重なものだといつも感じています。


そんな中、数年前からですが、元気で活気あふれる団体や事業体にはある共通点があることに気づきました。それは、本業以外の地域交流活動を積極的に行っているということ、そしてその内容をホームページや会報誌等できちんと広報・PRしていることです。例えば、ある団体は森林保全と森林環境教育を主に行う一方で、子育て世代のお母さん達の悩み相談会を開催しています。また、ある林業事業体は、近隣の小学生から高校生を対象に林業体験教室を開催しています。さらに別の林業事業体は、犬や猫、さらにはヤギ等の動物を飼い、地域の人達を呼んでふれあいバーベキューパーティ等を定期的に行ったりしています。いずれも自ら職場以外の地域の方々と積極的にふれあい、あえて周りから自分達を見てもらえる風通しの良い環境をつくることで、いつも見られているので変な仕事は出来ないし、しないという自覚が持てるように、また多様な立場の方々と様々な思いや情報を共有することでお互いの存在価値を高められるよ

うにと努めています。


山村地域にある団体や事業体は、それぞれ積極的に周りの方々と触れようとしないとどんどん閉鎖的になっていきます。通勤や活動をする現場までの移動も車が通常ですので、意図して行動をしないと家族や職場以外の人と触れることが無いのです。個人的にはそのほうが楽だから良いと考える人もいるかもしれませんが、団体や事業体である以上「何をしている人達の集まりなのかわからない」からはじまり、いつの間にか「怪しい集団」というレッテルが貼られ、変な噂が流れるようになってしまっては活動することができなくなってしまいます。うちの団体・事業体は「そんなことない!」とおっしゃる方もいるとは思いますが、案外、外から見ている人(特に若い人達)からは、少なくとも「何をしている団体(事業体)?」として映っていることもあるのです。実際に、何とも言えぬ疎外感を感じながら活動や仕事をしている団体・事業体もあるのも事実です。いずれにしても、そのような団体や事業体であっては活動や仕事も担い(働き)手も徐々に離れて行ってしまいます。それが分かっているからこそ、元気で活気のある団体は地域住民や団体に溶け込み、その考えや活動を積極的に広報・PRしているのです。


地域の中で自分達を知ってもらうことが山村地域であればあるほどむしろ大切であり、持続性のある活動につながっていくのだと思います。そして、ここ数年の間にこのような活動(広報・PRも含む)を積極的かつ定期的に行う団体や事業体と全くやらない、あるいはできない団体や事業体の差が広がっているようにも感じます。森林環境(譲与)税の使い方が分からないという市町村のご担当者が多いと伺っていますが、是非とも“元気で活気あふれる、そして多くの人が集まる団体・事業体へのサポート”と“その活動に対する地域住民の理解促進”につなげる活動に使ったら良いのではないかと思います。

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