森林施業プランナー関連の人材育成に関わって10年、「緑の雇用」のフォレストマネージャーやリーダー等の育成については7年、森林総合監理士(日本型フォレスター)等の育成については6年が経過しました。それぞれの人材育成事業とも、はじめはその人材像と役割を明文化し浸透させることと、広い意味での個々における専門的技能者としての能力の取得とスキルアップを目指して取り組んできました。一定の基準に基づいた体系の中で目標を定めて人材育成を行ってきたことは、特に林業界においては重要なことでありましたし、今日においても継続していく必要があることだと考えています。
人材育成の成果としては、それぞれがそれぞれの立場におけるプレーヤーとして現場で活躍できるようになることがすべてでありますし、実際にその様子や実績が数多く報告されていることもあり、一定の評価ができるのではないかと思います。

林業界においては、まだまだ多くの新規就労者の確保と、専門的技能者を輩出する(すそ野を広げる)こと、さらには専門的技能者としての個々の能力を高めることは必要なことだと思います。
その一方で、プランナー、フォレストマネージャー・リーダー、森林総合監理士それぞれに、個々の技能者として高い能力を身に付け、また従事する組織においては組織経営や人材育成・指導、統括管理などを行う重要なポストに就かれている方々も増えてきました。
そのような立場になる方々のために、人材育成の体系の中でも“キャリアアップ”というかたちで能力向上を目指すことになっていますが、その内容については具体化されておらず、十分に議論もなされていないと感じています。
個人的には、そのような立場になる方々は自分の実績ではなく、自分以外の者の能力を高めそれを発揮させ、安全を担保し、その結果として、組織への貢献や発展に繋がる実績を導き出してもらうことが重要であり、先ずはそのために必要な能力とはどのようなものかということを整理すること。その上で、それらに基づき“キャリアアップ”の教育プログラムとして体系化し、しっかりと教育していくことが必要だと考えます。

これまでの人材育成の体系や実際の研修、テキスト等を見ますと、“他者の能力を引き出す”あるいは“他者の力を活用する”ための専門的教育はほとんど行ってきませんでしたし、これまではそのような段階でもありませんでした。
ただ、人が育ち、次のステージでの活躍を期待される今日においては、早急に新たな教育の体系を整備する必要があります。おそらくそれをするかしないかで、今後の林業の成長や発展に大きな違いが出てくるだろうと個人的には思っています。
今がまさに、林業界における人材育成のあり方の転換期なのです。
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