文部科学省の事業の一環として、鹿児島大学が『高度林業生産システムを実現する「林業生産専門技術者」養成プログラム』という研修を行っています。素材生産現場における高度な専門技術者の養成を目的とし、社会人を対象としたプログラムで、年間を通じて4つの必修科目(80時間)と7つの選択科目から4科目(40時間)を受講します。全科目を受講・修了した方には学校教育法第百五条に規定する「履修証明書」が発行され、森林分野のCPDポイントの取得の他いくつかの特典を得ることができます。

この研修に、プログラムを検証するコーディネーターという役割で先日参加する機会を得ました。科目は「林業事業体会計」という今年度から新設されたもので、1泊2日10時間の研修です。研修内容については担当する講師をはじめ、数人のワーキンググループ(私も参加)にて事前に検討しました。想定した受講対象者が統括現場技術責任者ということで、単なるコスト管理ではなく、「経営にも目を向けた会計管理とは何か」ということを軸に置いた研修にすることになりました。

当日の研修生は12名、鹿児島、宮崎、熊本の各県の民間事業体、森林組合からの参加、想定した受講対象者の方もいればまだそこまでの役割を担っていない方もいました。当科目の講師はマルカ林業株式会社の新永智士氏。講義とワークの時間をうまく構成して、飽きさせない、集中できる双方向型の研修となるよう工夫して実施されていました。
また、これまで私が関わった統括現場技術責任者の研修では、一つの現場におけるコスト管理の重要性とその方法について学ぶことがほとんどでしたが、業務全体の会計管理、その先に経営があるという視点がいかに重要かという、まさしく研修の狙いが研修生にも理解された内容になっており、私にとっても大きな気づきとなりました。他方、参加者が会計と経理の業務の違いをどこまで理解しているのか、またその業務分担が事業体によって異なる為、自分ごととしてどこまでリアリティを持って受講できたか、その点がやはり気になりました。研修後の反省会では、その実態を踏まえその溝を埋めていけるよう再構築していこうということになりました。

いずれにしましても、統括現場技術責任者にはこの「林業事業体会計」という視点を持って業務管理を行っていくことは重要であり、全国規模の研修でも取り入れていく必要があると改めて感じた次第です。
また、研究機関の一つである大学がカリキュラム(プログラム)を幅広く民間企業等と協働で開発、実施、検証・分析するこのスキームも、より高度かつ現場に即した人材育成を行う上で非常に有効なことだと思います。今後、全国レベルでこのような取り組みが増えていけばよいと思いますし、私も積極的に参画していければと考えております。
コメント
コメントする