今年度の私が担当する森林総合監理士育成研修が終了しました。本研修は、準フォレスター研修を含めますと今年で6年目となります。この間の受講者数も推計で約2,000名となり研修事業も一つの節目を迎えるようです。私は運よく当初から本研修に関わることができ、その経緯、変化を見ることができました。ドイツのフォレスターを目標に置きながらも、全産業における林業の位置づけ、社会制度、風土・風習等の違いから「日本型フォレスター」の在り方をずっと探ってきたように思います。国の施策としては林業普及指導員の上級指導者として森林総合監理士(フォレスター)を位置づけられていますが、実際にどのような役割でどのような任務を果たすのかということについては明確に定められていません。森林総合監理士になる者は国や都道府県、さらには市町村の職員等いわゆる公務員の方々と、それ以外の民間事業体等に所属されている方々など、置かれている立場が様々であり、それぞれに期待される役割が異なるというのが理由の一つです。

しかし、実際に本研修を受講した、あるいは正式に認定制度試験に合格・登録している方(700名強)の大半は公務員の方々で、どのくらい各地域で森林総合監理士の業務を行っているかというのもあまり知られていません。公務員であれば2〜3年もすれば異動等で担当が変わり、森林総合監理士の業務とは全く異なる仕事に就くことも頻繁にあり、成果を挙げにくいということも背景にあります。また、森林総合監理士をどのような位置づけにするかは国や地方自治体の考え方によって大きく異なり、組織の問題で活動の機会を設けることができないという状況に置かれている方も多く存在します。中には自助努力やチームをつくるなどして継続的な活動を実施し成果を挙げている人もおりますが、全体の割合からすると極わずかというのが実態なのです。

一国民として、また特に森林・林業の再生を願う人からすると、それで良いとは決して言えません。少なくとも、これまで森林総合監理士を目指した人には、きちんとその役割を担っていただきたいですし、それができるよう各自治体も努力・工夫してもらいたいと思います。その上で、やはり制度的に公務員がその役割を果たすことが困難なのであれば、民間の森林総合監理士の育成にもっと力を注ぐべきだと考えます。これまでの本研修の設計、カリキュラム、内容等はやはり公務に視点を置いたものとしてつくられており、民間の方々には馴染まないことが多分にあるように思います。実際の民間の研修参加者からもそのような声が多く聞かれました。

あくまでも私見ですが、私は今後の森林・林業の再生の要は民間の森林施業プランナーだと思っています。昨今、森林施業プランナーの能力や意識も高まり地域に根付いた取り組みをしっかり行っている方々が増えてきました。彼らに強い志を持ってもらい、もうワンランク上のステージで業務を遂行してもらう仕組みをつくることで、林業・木材産業を基盤とした地域創成に一段と近づくのだと思います。無論、公務員の森林総合監理士を否定するのではなく、お互いの強みと弱みを活かし補いながら取り組むことを前提とします。
公務員の森林総合監理士の人数がある程度確保できた今日において、彼らができないことを補い連携していける立場の違う森林総合監理士を育成していくことが、これまで行ってきたことを無駄にしない、あるいはそれを活かす方策なのだと思います。

人材育成は時間もかかり成果も見えづらいものです。でも私は、この6年間で確実に変わってきたと実感しています。林業4人材と言われる方々の能力は随分高まってきています。あとはこれをどう繋ぐか、あるいはシステム化するか、併せてそれを機能・発展させる新たな人材をどう育成するかということなのだと思います。
これは“待ったなし”です。今やらなければその先もできません。
是非とも多くの方々と知恵を出し合い構築していきたいと考えています。
コメント
コメントする