先般、森林総合監理士研修の現地視察ということで群馬県沼田市に行ってきました。梅雨明け寸前ということもあり豪雨に見舞われましたが、何とか研修で利用する国有林の現場を確認することができました。この地には4年ほど前に、やはり同様の理由で行っていますが、その時からの景観の変わりように大きな驚きを感じました。
林内一面鹿よけネットで囲まれていること、ネットが張られていない箇所の木には、その根元から2メートルくらいの高さまで一本一本テープや網が巻かれていたのです。これは、鹿が樹皮を剝いて食べてしまうことで木が腐るのを防ぐための対策です。場所によって鹿が多く生息しているところとそうで無いところはありますが、ここまで厳重に対策を施しているところは初めて見ました。でもそれは私が見たことないだけであって特別なことではないのです。

この鹿問題は、近年ほぼ全国規模で広がっている深刻な問題なのです。今回訪れた山林は国有林地であるからこそ、ある程度の対策を施すことができているのですが、民有林の場合、その多くは所有者の高齢化、山村地域の過疎化、経済的理由等から、個人ではほぼ何も出来ていないと言えます。集約化施業を進めている森林組合等がそのエリアをネットで囲んで対策を施している場所もありますが、コスト等の問題もあり被害が激減するような状況には至っていないのが実情です。
鹿はもともと繁殖能力が高い上、昨今の温暖化で越冬するようになったこと、オオカミ等の天敵がいなくなったことでどんどん増えてきています。

この鹿問題については、各方面からいろいろな声が聞こえてきますが、すでに林業だけでなく、農業(農作物)への被害も出ていますし、生態系への悪影響も懸念されますので、何らかの方法で頭数が減少していくよう対策を講じる必要があります。
既に行政を中心に様々な検討がなされているようですが、一部の専門家に頼るのでは無く、森林所有者や山村の地域住民、さらには森林等の様々な恩恵を受けている都市部の住民も協力しながら取り組んでいく必要があるようにも思います。現時点では、それぞれの立場でどんな協力の方法があるのかあまり見えませんが、森林を守る仕事をさせていただいている者の一人として、何かしら取り組めることを探してみたいと思います。
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