研修等の人材育成事業では、常に結果が求められます。結果は誰を主体にして考えるかでも随分変わってきます。例えば人数。何人研修等を受講(終了)したかを結果とする場合。研修終了後に試験を行って、何人合格したということを結果とする場合もあります。他にも研修生の満足度(アンケート等で確認)を結果とする場合。あるいは研修の中で作成した成果物の量や内容で判断する場合等様々です。職業訓練学校や進学塾などでは、希望の会社や学校の試験に合格すること、何人合格させたということが結果であり、そこが評価の基準となります。結果を判断するという意味ではわかりやすく、全くもって間違っていません。

他方、人材の育成においては、学び手が何を学べたかということと、学ぶということがどういうことなのかということに気づくこと、教える側から言うと気づいてもらうことが実はとても大切なことだと考えています。研修を進行・運営しているとわかりますが、学び手の中できちんと理解している人、学んだことをしっかりと自分のものにしている人は、学んでいる間に自問自答、演習などではトライ&エラーを繰り返し行っています。私は、この葛藤(思考が行ったり来たりするプロセス)こそが“学ぶ”ということであり、このプロセスが大事であるということに気づく(気づいてもらう)ことこそが一番大切なことだと思っています。

この気づきの深度、重みを結果として定量的な視点でどう評価するかは非常に難しいことだとは思いますが、本来人材育成とは、○○試験に何人合格したかという単純なことで評価されるものでは無く、半年、一年、それ以上の年月の中で、学び理解すること、学んだことを自分のものにすること、それを実際の現場で活かせるようになること、そのための自分に合った学び方(プロセス)に気づき、自ら実際にPDCAを回せる人を育てることだと思います。仮に同じ試験に合格しても、これを理解・実践できるか否かで、その後のその人の活動(結果)が変わってきます。それは、過去行った研修等に参加した方々の状況、取り組みのレベル等から判断しても明らかです。

私が現在関わっている人材育成事業のほとんどは、研修等比較的短期間で行われるものであり、そこで出来ることは限られていますが、研修の中で大いに葛藤すること、葛藤するプロセスの中にこそ本当の学びがあることに気づいてもらうためのきっかけづくりは出来ると思っています。ある意味、それが私の役割だと考えています。求められる結果は誰を主体にして考えるかで変わるということは踏まえつつ、これからも人材育成(学ぶということ)はプロセスが大事ということを理解してもらえるよう努めていきたいと思います。
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