寄り合いひろば

森林と里山の保全・有効活用を本気で考えるブログ
S.P.FARMが提供する当ブログは、 森林を取り巻くさまざまな立場の方々とつながり、森林と里山の保全・有効活用を実現する「寄り合い」の場です。
S.P.FARMは 都市と農村、企業と森林をつなぎ、新しい “森林活用のかたち”をご提案することで、 日本の森林・里山を有効的に活用する新しい社会システムの構築をめざします。
  「企業との連携による森林再生・活用プロジェクト構想」http://www.sp-farm.com/moriduku.html(S.P.FARMのHP内)も是非ご覧ください。
林業界における人材育成のあり方の転換期
森林施業プランナー関連の人材育成に関わって10年、「緑の雇用」のフォレストマネージャーやリーダー等の育成については7年、森林総合監理士(日本型フォレスター)等の育成については6年が経過しました。それぞれの人材育成事業とも、はじめはその人材像と役割を明文化し浸透させることと、広い意味での個々における専門的技能者としての能力の取得とスキルアップを目指して取り組んできました。一定の基準に基づいた体系の中で目標を定めて人材育成を行ってきたことは、特に林業界においては重要なことでありましたし、今日においても継続していく必要があることだと考えています。
人材育成の成果としては、それぞれがそれぞれの立場におけるプレーヤーとして現場で活躍できるようになることがすべてでありますし、実際にその様子や実績が数多く報告されていることもあり、一定の評価ができるのではないかと思います。

林業界においては、まだまだ多くの新規就労者の確保と、専門的技能者を輩出する(すそ野を広げる)こと、さらには専門的技能者としての個々の能力を高めることは必要なことだと思います。
その一方で、プランナー、フォレストマネージャー・リーダー、森林総合監理士それぞれに、個々の技能者として高い能力を身に付け、また従事する組織においては組織経営や人材育成・指導、統括管理などを行う重要なポストに就かれている方々も増えてきました。
そのような立場になる方々のために、人材育成の体系の中でも“キャリアアップ”というかたちで能力向上を目指すことになっていますが、その内容については具体化されておらず、十分に議論もなされていないと感じています。
個人的には、そのような立場になる方々は自分の実績ではなく、自分以外の者の能力を高めそれを発揮させ、安全を担保し、その結果として、組織への貢献や発展に繋がる実績を導き出してもらうことが重要であり、先ずはそのために必要な能力とはどのようなものかということを整理すること。その上で、それらに基づき“キャリアアップ”の教育プログラムとして体系化し、しっかりと教育していくことが必要だと考えます。

これまでの人材育成の体系や実際の研修、テキスト等を見ますと、“他者の能力を引き出す”あるいは“他者の力を活用する”ための専門的教育はほとんど行ってきませんでしたし、これまではそのような段階でもありませんでした。
ただ、人が育ち、次のステージでの活躍を期待される今日においては、早急に新たな教育の体系を整備する必要があります。おそらくそれをするかしないかで、今後の林業の成長や発展に大きな違いが出てくるだろうと個人的には思っています。
今がまさに、林業界における人材育成のあり方の転換期なのです。
| spfarm | - | 10:45 | comments(0) | - | - | - |
真のリーダーをつくるには?
イギリス政府が、フランス政府につづいて2040年からガソリン車とディーゼル車の販売を禁止する方針を7月26日に発表しました。電気自動車(EV)への完全移行を目指すと言うのです。大気汚染対策の一環ということですが、温暖化対策とも直結します。
イギリスもフランスも日本と同様に様々な問題を抱える中においても、環境の将来に向けて大鉈を振るう具体的な政策を打ち出しているのです。それだけ環境問題は危機迫るものとして捉えられているのだと思います。

気候変動という環境問題は、今やどこの国においても甚大は被害と莫大な損害を及ぼしており、日本各所からも毎日のようにゲリラ豪雨等による災害情報が流れてきます。これらの災害で実際に被害に合われた方々からすれば、被害や損害という言葉では表しきれない大きな精神的、肉体的なダメージがあり、またそれがその後も残るわけで、その問題の大きさ、重要性にもっと多くの方々が目を向けなければならないし、その問題に真っこうから立ち向かっていかなければ環境問題は解決しないのだと思います。日本の社会では自然の力に畏敬の念を抱き、美化する風土があり、それはとても大切なことではありますが、自然の負の力をわざわざ助長させるようなことを人間自ら行っているのであれば、それは止めなければいけません。
ただ、残念なことにそれを抑える理性よりも、他の何かを満たす欲求のほうが強くなっているのが実態なのです。
幸いにして人間には知恵と技術があります。イギリス政府やフランス政府が発表した先の内容にも、何らかの知恵と技術が裏付けとなっているのだと思います。我々日本においても負けずと劣らぬ知恵と技術があるはずです。でもそれを抜き出し、繋ぎ合わせ、これだ!と示せるリーダーが日本の各所にいないのかもしれません。リーダーがいないという背景には、リーダーになると責任を負うことになる。責任を負うことはリスクや恐怖でしかないといった風潮が、いつからかこの国に蔓延してしまったからかもしれません。

私はこの手のことを解決する研究者、ましてやプロではありませんが、“チームでことに臨む”こと、そして“ことに臨める新たなチームのつくり方”こそが真のリーダーを発掘、育成する上で重要になってくるのではないかと思っています。
“ことに臨める新たなチームのつくり方”とはどのようなものなのか、その中におけるリーダーの位置づけや役割がどういうものなのか、まだ具体的には見つけられていませんが、ここ数年は運よくこのテーマ、いやこの壁にぶつかる仕事に関わることが多くなっておりますので、実践の場でいろいろと挑戦していきたいと考えています。
この思いが合っているのかどうかもわかりませんが、仮に合っているとして、その答えを見つけ出すことができたなら、必ず皆さんにもご紹介したいと思います。
| spfarm | - | 10:51 | comments(0) | - | - | - |
新たな森林総合監理士育成研修に参加して
 林野庁の委託事業として昨年度まで実施してきた森林総合監理士研修が、今年度は林野庁の直轄事業として開始されました。研修は前期と後期に分かれ、前期は東京の高尾にある林野庁の森林技術総合研修所で全3回、後期は北海道地区1回、関東地区2回、九州地区1回というかたちで行われます。今は、前期研修の3回が終了し、後期研修に向けての準備が始まったところです。
私自身、昨年度までの研修では、研修全体のファシリテーターとコミュニケーションとプレゼンテーションの講師を担当していましたが、今年度はコミュニケーションとプレゼンテーションの講義(演習)だけの担当となり、前期のみの参加です。一つの科目しか担当していないので、研修全体の雰囲気や研修の結果等は把握できませんが、研修生の属性としては国有林の担当者と都道府県の担当者が約半々ずつ、その中に民間(民間事業体や森林組合の職員)が各回1〜2名程度がいるといった具合で、皆さん積極的に参加されている様子は伺えました。
当該研修は、森林総合監理士試験対策では無いもの、林野庁としては出来る限り多くの方に受験してもらい、合格者増を目指したいという思いはあるとは思いますが、研修生からしてみれば、これまで接点のあまりなかった国有林と都道府県の担当等と知り合えるよいきっかけになるであろうし、地域林業における問題の共有を図る良い場になっているのではないかと思います。
林業の世界においても民国連携という言葉自体はかなり前から発せられていました。ただ以前は、国有林は特別会計で処理されていたこともあり、なかなか進んでいなかったのが実態のようで、それでも一般会計化されてからは共通する考え方も増え、少しずつですが現場においても連携(協力)のかたちが表れてきたように思います。そういう意味では、森林総合監理士育成研修を、各地域における問題意識の高い、立場の異なる林業の再編に向けた担い手が集まる場として捉えてみても面白いのではないかと思います。これは森林施業プランナーや統括現場管理責任者(フォレストマネージャ―)にとっても言えることです。森林総合監理士育成研修で学ぶ内容は、プランナー研修やフォレストマネージャー研修で学ぶ内容と異なります。もっと広い視点で地域の森林・林業を見る必要はありますが、ある意味これまで学んでこなかったことが学べる良いチャンスととらえることもできます。
学んだことがすぐに役立つかどうかはわかりません。ただ、地域の森林・林業の問題はそこにいる方々すべてに関わる問題であるのは事実です。本来であれば、それぞれ役割の違う担い手が集い、先ずはそこにある問題とそこから導き出せる課題を共有し、その上でそれぞれが担うべき役割を明確にし、業務を遂行していくことが大切なはずですが、そのようになっていない地域が圧倒的に多いように思えます。研修における学びの場は、提供する側だけでなく参加する側でも創造できるはずです。すぐに役立てる研修にするか否かという点においても、ある意味参加者次第とも言えるのです。私個人の勝手な思いかもしれませんが、森林総合監理士育成研修もそのような出会いや学びの場になっていけば良いのではないかと思います。
| spfarm | - | 12:55 | comments(0) | - | - | - |
これからの森づくり?の主体は女性
 先般、ある仕事で北海道登別市にある『NPO法人登別自然活動支援組織モモンガくらぶ』と、苫小牧市にある『NPO法人いぶり自然学校』に取材に行って来ました。両団体ともざっくりと言ってしまうと、自然(主に森林とその周辺地域)をフィールドに、様々な遊びや学びの場を提供しながら人づくりや楽しく住みやすい地域社会をつくる活動を行っています。それぞれの活動にはもちろん特徴や違いがあり、一緒くたに活動内容を説明することはできませんが、私が感じた共通する大きなポイントとして、活動をけん引する主体が女性であること、そしてその活動に協力するボランティアの主体も女性(特に子育て世代のお母さん)、さらにはプログラム等に参加するのも女性(お母さん)とその子供たちであるということだと感じました。(スタッフや協力者には男性お父さん方もいます。)もちろん本格的な林業をするわけではありませんが、子育てにおいて子供たちに自然体験をさせたいというお母さん方の潜在的ニーズを見事にくみ取った活動(アクティビティ等)を提供、発信しつつ、子育てと思って協力・参加する中で、その活動を通じた副産物として、景観的にも美しい多様性のある、人が集まる森をつくっているのです。
男性(特に団塊の世代層)が取り組んでいるような間伐支援隊のような活動とは全く異なりますが、誰もが自由に参加しやすいような仕組みをつくっていることもあり、ネットワーク(絆)、地域づくり、教育、健康・休養といった様々な面から見ても大きな価値のある活動だと感じました。このような活動が全国に広がれば、今まで森に関心・関わりのなかった方(無関心層)等も森に対する見方がずいぶん変わってくるであろうし、森という資源の活用方法も地域ごとに多様化していくのではないかと思います。
恐るべし、女性(特に子育て奮闘中のお母さん方)のパワー!です。

この二つの団体やその活動の詳細につきましては、下記のそれぞれのホームページをご覧になっていただければと思いますし、機会がありましたら是非一度伺ってみてはいかがでしょうか。

NPO法人登別自然活動支援組織モモンガくらぶ   
NPO法人いぶり自然学校

短い時間の取材でしたが、私も森を新たな視点で見ることができました。
| spfarm | - | 10:49 | comments(0) | - | - | - |
「緑の募金」に関する座談会に参加して
当社ではここ数年、林業の改革や担い手の人材育成に関する業務に携わることが多くなっていますが、森林ボランティアやNPO等による森林保全活動をサポートする事業も行っています。むしろ、広い意味で森林に係る事業においては、森林保全活動をサポートする事業のほうが長く、その一つが「緑の募金」活動の啓発・推進に関するものです。

一般的に“募金”というと、広く国民や事業体等からお金を集めることをイメージされる方が多いかと思いますが、「緑の募金」は緑の募金法に基づいて、集めたお金で国土の緑化推進や里山保全、国際緑化等の活動を行うための助成を行っています。「緑の募金」は戦後の荒廃した国土の緑化を推進させることを目的とした「緑の羽根募金運動」が原点であり、長きに渡ってその取り組みが行われています。
その一方で、戦後植栽した樹木(主にスギやヒノキ)も成長し、十数年前からは、森林ボランティア団体やNPO等の役割と活動内容も変わってくるようになりました。このような状況を踏まえ、「緑の募金」の管理・運用を預かっている公益社団法人国土緑化推進機構と相談し、今後の社会動向の変化を見据えた「緑の募金」の有効的な活用のあり方を探るための有識者による座談会を実施しました。(有識者)メンバーは、所属する団体や立場は様々ですが、全員何らかのかたちで国土緑化や地域森林・社会の活性化に資する活動に主体的に取り組んでいる方々です。「緑の募金」の助成については受けたことの有る方と無い方、両方おります。

座談会の中で出てきた共通の問題意識としては、活動する団体の世代交代と活動内容の多様化です。森林ボランティアやNPO団体等の活動が盛んになったのは15年程前からだと思いますが、当時はいわゆる団塊の世代の方々が、定年後を見据えた社会活動の一環として山の整備(主に間伐)等を始めたというものが多くありました。それらの団体の中には、現在も変わりなく活動を続けているところもありますが、扱う木が大きくなる中、加齢と共に体力も落ち、また同世代の集まりで後継者を育成してこなかったということもあり、活動や組織自体が少しずつ弱体化しているという現象が起きています。

また、これまでは間伐等の森林整備を行う団体が多かったのですが、ここ数年は、伐ることから材の有効活用を主とした活動や、行政や企業とも連携し、森林や木を利用した環境教育、森や里山を軸とした地域コミュニティの創生、レクリェーションやセラピー活動などに取り組む団体も増え、さらには活動に参加する方々の年齢層の幅も大きく広がってきています。まさに、植えて育てる活動から森林を有効的に活用する活動が増え、多様化が進んできている状況にあると考えられます。

森林を材として大量に使う(経済活動に貢献する)という点では、林業を生業としている方々が主役になると思いますが、教育、地域づくり、環境保全、健康醸成等の広い意味での社会活動の推進に資(貢献)する役割においては、このような活動に取り組む森林ボランティア団体やNPOの存在が大きくなってきていると思います。そういう意味では、森林ボランティアという呼び方も実態にそぐわなくなってきているように感じます。
そう考えますと、「緑の募金」等の助成金のあり方も、このような状況を踏まえた上でのものになっていくべきだとは思いますが、反面、それらの多様な活動に取り組む団体の中には設立間もない団体も少なくなく、経営や運営がうまくいかず、活動が途中で頓挫したり、団体自体が休眠、解散したりするようことも間々あるようですので、そのような団体に対しては組織づくりのためのサポート等も同時に実施していく必要があると考えます。  

当社がこの問題にどこまで寄与できるかはわかりませんが、今後も問題のさらなる検証と、問題解決に向けた方策を模索していければと考えております。
| spfarm | - | 10:36 | comments(0) | - | - | - |
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  
<< August 2017 >>
◆ 新着記事
◆ コメント
◆ カテゴリー別
◆ バックナンバー
◆ プロフィール