寄り合いひろば

森林と里山の保全・有効活用を本気で考えるブログ
S.P.FARMが提供する当ブログは、 森林を取り巻くさまざまな立場の方々とつながり、森林と里山の保全・有効活用を実現する「寄り合い」の場です。
S.P.FARMは 都市と農村、企業と森林をつなぎ、新しい “森林活用のかたち”をご提案することで、 日本の森林・里山を有効的に活用する新しい社会システムの構築をめざします。
  「企業との連携による森林再生・活用プロジェクト構想」http://www.sp-farm.com/moriduku.html(S.P.FARMのHP内)も是非ご覧ください。
北海道におけるプランナー実践研修に参加して
先般、久々に北海道での森林施業プランナー育成研修に参加するために帯広市に行ってきました。今回の研修は、北海道庁と全国森林組合連合会の共催によるもので、プランナーのスキルアップを兼ねた実践型の研修で、自ら林分調査したデータを使って施業提案書を作成し、さらにはそれを以って森林所有者に模擬提案するという内容のものでした。どの地域の研修も参加する研修生のプランナーとしての経験年数には幅があり、今回の研修でもプランナーの仕事を全く行なったことが無いという方も散見されました。そういう意味では、研修の成果や満足度についてもそれぞれに差があったものと感じます。

一方で、今回の研修では私にとってもいくつかの発見がありました。
一つ目は、やはり他県とは交わらない北海道単独の研修であり、研修生も北海道(特に今回は十勝近隣の者)内で実施するため、既に仲間意識が高く、言わずとも自然にお互い協力し合いながら研修に参加しているという点。
二つ目は、北海道庁の職員の参加者(指導やサポート役)が5名と多く、熱心に(手厚く)指導していたという点。
三つ目は、模擬提案会の森林所有者役を実際の指導林家に依頼して来てもらっていること。しかも、研修生にとっては厳しくも的を射た質問やアドバイスを行なっている点。そして最後に、研修生から「スキルアップ研修だというので参加したが物足りない!」、「他の地域のプランナーはどのような仕事をしているのか、もっと交流が持てるような機会を設けてほしい!」等の意見を、自ら全員の前で発信しているという点。これについては個人の資質によるものとも言えますが、たとえ2〜3年の経験しかないプランナーでも、自分の考えや意見をはっきりと北海道庁の職員や全森連、北海道森連の職員に言えるその風土があること、その関係性が出来ているという点では、それらの担当者と頻繁に接していて距離が近いということの表れだと感じました。他県の方には申し訳ないが、やはり北海道には他にない一体感のようなものがあります。
ただ、それを北海道庁の職員に言うと、「確かにお互いの距離感が近く良い面もあるが、手厚く接することで甘えが生じてしまい、スキルアップにつながっていないのではという懸念もある。」と言っていました。確かに、指導者と指導を受ける者との距離感をどのように保つのかは重要な要素です。それでもプラスに働いている要素については、他県にもっと広げられるのではないかと思っています。北海道の人材育成に係る思いや考え方、体制、指導方法についてもう少し研究し、参考にできる要素を他県で行う研修等で取り入れてみたいと思います。

最後に、帯広と言えば豚丼が有名ですが、地元ではインディアンカレーなるものが大人気ということで食してみました。確かに旨い!まだ帯広近郊にしか店舗が無いということですので、訪れる機会のある方は是非とも食してみてはいかがでしょうか。
| spfarm | - | 16:36 | comments(0) | - | - | - |
フォレストマネージャー研修に参加して
ここ数年当社で担当させていただいております「緑の雇用」事業のフォレストマネージャー研修の前期研修が今年も始まりました。フォレストマネージャーは、林業の現場技能者の中での統括現場管理責任者にあたる人、いわば現場技能者の中のトップになる人に位置付けられている者です。研修参加資格としても林業の現場で10年以上のキャリアを積んでいることが要件になっています。研修は前期3日間、後期5日間で構成されています。昨年までの研修では、全受講者数が50名ほどでしたので前期研修は1回だけ実施していましたが、今年は80名近くになりましたので2回に分けての研修になりました。受講生の平均年齢も徐々に低下し今年は約42歳といったところです。

研修プログラムは、平成24年度に最終的にまとめられたカリキュラムとシラバスを基に組んでいるのですが、特に今年はカリキュラムとシラバスの内容と今日の林業の実態にかい離があるということを感じました。例えば、これまでは間伐を主体とした作業システムやマネジメント方法について学んでおりましたが、今や主伐・再造林に向けての対応方法、ICT化に向けての対応方法へのニーズが高まってきています。さらには制度変更(フォレストリーダーやフォレストマネージャー研修修了者はフォレストワーカー研修の指導者として認定される)に基づき、指導・判断能力の向上を目指した研修科目の必要性についても指摘されるようになりました。日進月歩とは言いませんが、林業の世界も大きな変動期を迎えはじめたのかもしれません。そういう意味では人材育成の考え方、その方法も再構築する時期に来ているのだと思います。

現在、「緑の雇用事業」の中でも、一部のカリキュラム・シラバスの見直しが図られているようですが、プランナーやフォレスター、また最近では地域林政アドバイザーという者も出てきているようですので、それらの者を含めもっと大きなスキームでの人材像や役割の整理、改善・改革をする必要があると個人的には考えます。それは、これまで林業界の発展を目指して育成してきた全ての担い手の能力を最大限に活かすという面からも大切なことだと思います。おそらく、そのことについては同じ思いを持たれている方々が少なからずいると思っています。近々にその方々と共に手を携え、次のステージに向けた取り組みに挑んでいくつもりでいます。
| spfarm | - | 14:22 | comments(0) | - | - | - |
林業界における人材育成のあり方の転換期
森林施業プランナー関連の人材育成に関わって10年、「緑の雇用」のフォレストマネージャーやリーダー等の育成については7年、森林総合監理士(日本型フォレスター)等の育成については6年が経過しました。それぞれの人材育成事業とも、はじめはその人材像と役割を明文化し浸透させることと、広い意味での個々における専門的技能者としての能力の取得とスキルアップを目指して取り組んできました。一定の基準に基づいた体系の中で目標を定めて人材育成を行ってきたことは、特に林業界においては重要なことでありましたし、今日においても継続していく必要があることだと考えています。
人材育成の成果としては、それぞれがそれぞれの立場におけるプレーヤーとして現場で活躍できるようになることがすべてでありますし、実際にその様子や実績が数多く報告されていることもあり、一定の評価ができるのではないかと思います。

林業界においては、まだまだ多くの新規就労者の確保と、専門的技能者を輩出する(すそ野を広げる)こと、さらには専門的技能者としての個々の能力を高めることは必要なことだと思います。
その一方で、プランナー、フォレストマネージャー・リーダー、森林総合監理士それぞれに、個々の技能者として高い能力を身に付け、また従事する組織においては組織経営や人材育成・指導、統括管理などを行う重要なポストに就かれている方々も増えてきました。
そのような立場になる方々のために、人材育成の体系の中でも“キャリアアップ”というかたちで能力向上を目指すことになっていますが、その内容については具体化されておらず、十分に議論もなされていないと感じています。
個人的には、そのような立場になる方々は自分の実績ではなく、自分以外の者の能力を高めそれを発揮させ、安全を担保し、その結果として、組織への貢献や発展に繋がる実績を導き出してもらうことが重要であり、先ずはそのために必要な能力とはどのようなものかということを整理すること。その上で、それらに基づき“キャリアアップ”の教育プログラムとして体系化し、しっかりと教育していくことが必要だと考えます。

これまでの人材育成の体系や実際の研修、テキスト等を見ますと、“他者の能力を引き出す”あるいは“他者の力を活用する”ための専門的教育はほとんど行ってきませんでしたし、これまではそのような段階でもありませんでした。
ただ、人が育ち、次のステージでの活躍を期待される今日においては、早急に新たな教育の体系を整備する必要があります。おそらくそれをするかしないかで、今後の林業の成長や発展に大きな違いが出てくるだろうと個人的には思っています。
今がまさに、林業界における人材育成のあり方の転換期なのです。
| spfarm | - | 10:45 | comments(0) | - | - | - |
真のリーダーをつくるには?
イギリス政府が、フランス政府につづいて2040年からガソリン車とディーゼル車の販売を禁止する方針を7月26日に発表しました。電気自動車(EV)への完全移行を目指すと言うのです。大気汚染対策の一環ということですが、温暖化対策とも直結します。
イギリスもフランスも日本と同様に様々な問題を抱える中においても、環境の将来に向けて大鉈を振るう具体的な政策を打ち出しているのです。それだけ環境問題は危機迫るものとして捉えられているのだと思います。

気候変動という環境問題は、今やどこの国においても甚大は被害と莫大な損害を及ぼしており、日本各所からも毎日のようにゲリラ豪雨等による災害情報が流れてきます。これらの災害で実際に被害に合われた方々からすれば、被害や損害という言葉では表しきれない大きな精神的、肉体的なダメージがあり、またそれがその後も残るわけで、その問題の大きさ、重要性にもっと多くの方々が目を向けなければならないし、その問題に真っこうから立ち向かっていかなければ環境問題は解決しないのだと思います。日本の社会では自然の力に畏敬の念を抱き、美化する風土があり、それはとても大切なことではありますが、自然の負の力をわざわざ助長させるようなことを人間自ら行っているのであれば、それは止めなければいけません。
ただ、残念なことにそれを抑える理性よりも、他の何かを満たす欲求のほうが強くなっているのが実態なのです。
幸いにして人間には知恵と技術があります。イギリス政府やフランス政府が発表した先の内容にも、何らかの知恵と技術が裏付けとなっているのだと思います。我々日本においても負けずと劣らぬ知恵と技術があるはずです。でもそれを抜き出し、繋ぎ合わせ、これだ!と示せるリーダーが日本の各所にいないのかもしれません。リーダーがいないという背景には、リーダーになると責任を負うことになる。責任を負うことはリスクや恐怖でしかないといった風潮が、いつからかこの国に蔓延してしまったからかもしれません。

私はこの手のことを解決する研究者、ましてやプロではありませんが、“チームでことに臨む”こと、そして“ことに臨める新たなチームのつくり方”こそが真のリーダーを発掘、育成する上で重要になってくるのではないかと思っています。
“ことに臨める新たなチームのつくり方”とはどのようなものなのか、その中におけるリーダーの位置づけや役割がどういうものなのか、まだ具体的には見つけられていませんが、ここ数年は運よくこのテーマ、いやこの壁にぶつかる仕事に関わることが多くなっておりますので、実践の場でいろいろと挑戦していきたいと考えています。
この思いが合っているのかどうかもわかりませんが、仮に合っているとして、その答えを見つけ出すことができたなら、必ず皆さんにもご紹介したいと思います。
| spfarm | - | 10:51 | comments(0) | - | - | - |
新たな森林総合監理士育成研修に参加して
 林野庁の委託事業として昨年度まで実施してきた森林総合監理士研修が、今年度は林野庁の直轄事業として開始されました。研修は前期と後期に分かれ、前期は東京の高尾にある林野庁の森林技術総合研修所で全3回、後期は北海道地区1回、関東地区2回、九州地区1回というかたちで行われます。今は、前期研修の3回が終了し、後期研修に向けての準備が始まったところです。
私自身、昨年度までの研修では、研修全体のファシリテーターとコミュニケーションとプレゼンテーションの講師を担当していましたが、今年度はコミュニケーションとプレゼンテーションの講義(演習)だけの担当となり、前期のみの参加です。一つの科目しか担当していないので、研修全体の雰囲気や研修の結果等は把握できませんが、研修生の属性としては国有林の担当者と都道府県の担当者が約半々ずつ、その中に民間(民間事業体や森林組合の職員)が各回1〜2名程度がいるといった具合で、皆さん積極的に参加されている様子は伺えました。
当該研修は、森林総合監理士試験対策では無いもの、林野庁としては出来る限り多くの方に受験してもらい、合格者増を目指したいという思いはあるとは思いますが、研修生からしてみれば、これまで接点のあまりなかった国有林と都道府県の担当等と知り合えるよいきっかけになるであろうし、地域林業における問題の共有を図る良い場になっているのではないかと思います。
林業の世界においても民国連携という言葉自体はかなり前から発せられていました。ただ以前は、国有林は特別会計で処理されていたこともあり、なかなか進んでいなかったのが実態のようで、それでも一般会計化されてからは共通する考え方も増え、少しずつですが現場においても連携(協力)のかたちが表れてきたように思います。そういう意味では、森林総合監理士育成研修を、各地域における問題意識の高い、立場の異なる林業の再編に向けた担い手が集まる場として捉えてみても面白いのではないかと思います。これは森林施業プランナーや統括現場管理責任者(フォレストマネージャ―)にとっても言えることです。森林総合監理士育成研修で学ぶ内容は、プランナー研修やフォレストマネージャー研修で学ぶ内容と異なります。もっと広い視点で地域の森林・林業を見る必要はありますが、ある意味これまで学んでこなかったことが学べる良いチャンスととらえることもできます。
学んだことがすぐに役立つかどうかはわかりません。ただ、地域の森林・林業の問題はそこにいる方々すべてに関わる問題であるのは事実です。本来であれば、それぞれ役割の違う担い手が集い、先ずはそこにある問題とそこから導き出せる課題を共有し、その上でそれぞれが担うべき役割を明確にし、業務を遂行していくことが大切なはずですが、そのようになっていない地域が圧倒的に多いように思えます。研修における学びの場は、提供する側だけでなく参加する側でも創造できるはずです。すぐに役立てる研修にするか否かという点においても、ある意味参加者次第とも言えるのです。私個人の勝手な思いかもしれませんが、森林総合監理士育成研修もそのような出会いや学びの場になっていけば良いのではないかと思います。
| spfarm | - | 12:55 | comments(0) | - | - | - |
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