寄り合いひろば

森林と里山の保全・有効活用を本気で考えるブログ
S.P.FARMが提供する当ブログは、 森林を取り巻くさまざまな立場の方々とつながり、森林と里山の保全・有効活用を実現する「寄り合い」の場です。
S.P.FARMは 都市と農村、企業と森林をつなぎ、新しい “森林活用のかたち”をご提案することで、 日本の森林・里山を有効的に活用する新しい社会システムの構築をめざします。
  「企業との連携による森林再生・活用プロジェクト構想」http://www.sp-farm.com/moriduku.html(S.P.FARMのHP内)も是非ご覧ください。
伐木作業等の安全対策の規制
 2019年2月12日に厚生労働省において、伐木作業等における労働災害を防止するために、労働安全衛生規則の一部を改正し、伐木作業等における安全対策を強化するという公布が出されました。これには、林業における労働災害による死亡者数が年間40人前後で推移しており、平成23年度以降改善がみられていないこと。また、死亡災害の約6割がチェーンソーによる伐木作業時に発生しているということが背景にあるようです。
しかもこの改定で注目したいのが、その対象が、林業、土木工事業、造園工事業など、業種にかかわらず、伐木作業等を行う全ての業種となっているということです。つまりは、どのような業種でもあっても、チェーンソーを使って仕事をする全ての者が対象となるということです。

改正内容の詳細については、厚生労働省のホームページをご覧になっていただきたいのですが、主には「チェーンソーによる伐木等の業務に関する特別教育の内容の統合と時間の増加」、「伐倒作業時に受け口を作るべき立木の胸高直径を40僂ら20僂乏搬隋廖◆屬かり木の速やかな処理の義務付けと、かかり木の処理における禁止事項の規定」、「立木の高さの2倍に相当する距離を半径とする円形の内側に、伐倒作業をする労働者以外の労働者の立ち入りの禁止」、「チェーンソーによる伐木作業を行わせる事業者、作業を行う労働者に対する下肢の切創防止用保護衣の着用の義務付け」、その他の改正を行うとのことです。

死亡事故や災害を減らすために、このような改正を行うことは不可避なことだとは思いますが、これが守られなければ何の意味もありません。特に“林業の成長産業化”を目指す林業界にとっては、“確実に遵守する”越えなければならない大きなハードルでもあります。
伐木作業等を行う事業者やその労働者は小規模で、また常に現場で働く方々が多いため情報の周知に時間を要したり、その重要性と緊急性を十分に把握されていないこともあり、多方面から多手段によって当改定内容を周知させ、対応していただくよう促していく必要があります。
当社といたしましても、今年度もいくつかの研修事業や事業体へのサポート事業に携わらせていただくことになると思いますので、本件につきましては声を大にして訴求していくつもりです。
皆様方におかれましても、是非とも周知拡大へのご協力をいただけましたら幸いです。
| spfarm | - | 11:12 | comments(0) | - | - | - |
季節の移り変わりを最も感じる時期
 あくまでも個人的な見方ではありますが、私は3月中旬から4月中旬頃の1ケ月間が一年の中で最も季節の移り変わりを実感できる時期だと思っています。日本列島のあちこちで桜の開花情報が毎日のように聞こえてくる中、卒業や入学、入社他、人や社会の動きが変わるからということだけではありません。
 私はほぼ毎日、朝は自宅から会社まで徒歩で通勤しています。運動不足の解消と満員電車に乗りたくないというのがその理由です。大きな国道も歩けば、公園を横切ったり裏道を歩いたりもします。もう何年もそうしています。そしてこの時期に、次々に開花する花や樹木の葉と肌の輝きが日々増していく様子を見ることができます。例えば、桜ひとつとっても、河津桜が咲き始めた横ではソメイヨシノがつぼみをつけ、満開になって散り始めた頃に今度は八重桜が咲き始めます。また、その横では色様々なハナミズキの花がさりげなく咲きだします。銀杏や楠木をはじめ大きな樹木の葉も、そしてその根元にあるタンポポや雑草までも青々と光り出します。その周りでは小さな虫が飛び交い、鳥のさえずりも活発になります。日々変化するその移り変わりの速さには本当に驚かされるばかりです。都会のビルや道路の脇にある誰かが管理している小さな緑のエリアであっても、しっかりと自然の輝きと生命力を感じさせてくれるものです。

 ところで、今年度から森林環境譲与税が施行されますが、森林の整備等を直接行う森林がほとんどない都市部の区等では、木材製品の利活用や森林保全の重要性に係る啓発活動等にこの税が使われることになるものと思われます。公共施設に木材をたくさん使うということはとても良いことだと思いますが、区民等に対し前述した小さな都会の緑のエリアを使って、樹木や花の価値や自然の移り変わりのすばらしさを感じられる施策を提供し、身近な緑(森)を知ることから森林保全の重要性への気づきを促していくことも大切なのではないかと私は思っています。
都市部に住み忙しく働く人たち、特にサラリーマンの方々は、かなしいかな、身近にある木々や花の存在や変化、その輝きに気づかず毎日を過ごしているように思います。そのような方々に、どこか遠くにある森林の整備の重要性を伝えたところで実感がわかないのは当然のことだと思います。先ずは、身近にある木々や花に目を向けられるようなきっかけをつくり、木々や花に囲まれて暮らすことの意味や、それらを人の手で管理することの大切さを少しでも感じてもらうことができれば、どこか遠くにある森林と都市部を繋ぐことになるとは思いますし、環境譲与税(環境税)への理解が多少なりとも深まるのではないかと思います。
さて、どんなきっかけづくりができるのか、明日もまた徒歩で通勤しながら考えてみたいと思います。
| spfarm | - | 10:08 | comments(0) | - | - | - |
林業の成長産業化には「働きやすさ」と「働きがい」の両方が大切
昨今、林業の成長産業化を目指すべく、政府を中心に様々な法整備やあらたな制度が構築されてきておりますが、実際にそれらを遵守あるいは活用する林業経営体の方々の意識や組織体制はまだまだ追いついていないように思います。本来、競争の厳しい産業においては、あらたな法や制度等が導入されるとなると直ぐにその内容を検証し、競って対応策を考え、場合によっては組織の体制や仕組みまで変えるなど、勝ち抜くために多大なエネルギーを注ぐものだと思いますが、林業の場合は他の産業と事情が異なります。材料(資源)の所有者、収穫(伐倒・運材)者、製材・加工者、販売者等の多くが、それぞれ異なる経営体からなっており、特に所有者は個人、収穫者の多くは地域密着(限定)型の中小企業や森林組合が担っており、他の産業と比べて競争の原理が働きづらい業態なのだと思います。
また、林業経営体の多くが山村地域にあり、常に過疎化に伴う人材不足に悩まされています。林業というのは年間を通じて山に入り、木を伐り、木を伐り出す道を作って運び出す仕事をするわけですから決して楽な仕事ではありません。加えて所得(賃金)は平均的には一般のサラリーマンのそれと比較しても低いというところが多いこともあり、働き手不足は慢性化しています。
そして、何より残念なことは“林業は補助金がなければ成り立たない。そんな状況で経営改善や組織改革などする意味が無い”と思い込んでしまっている林業経営体の経営者が少なからずおられるということです。組織のトップがこのような考えでいるうちは、林業の成長産業化は夢の夢にすぎないように思います。

一方で、そのような状況下においても早々に組織改善や改革に取り組み、特に若い人達が中心となって地域産業を支えるほどまでに成長させている林業経営体も存在します。そのような経営体は、経営者がしっかりと“経営”をしているからこそという一言に尽きるのかもしれませんが、私が見る限りそれらの経営体は共通する二つのポイントを抑えているように思います。
先ず一つは、組織の中における「働きやすさ」の整備です。働きやすさとは、待遇(給与)の改善や安定化、安全装備等の支給、福利厚生の充実、休暇・休養制度、レクリエーション等従業員の心配や不安をできるだけ排除した職場環境を整備することです。勿論、待遇を急に良くすることは無理かもしれませんが、例えば雨天で現場作業ができない場合でも他の業務に回ってもらい、出来高ではなく月給制に変えて生活の安定を図るようにする。あるいは一定の休暇制度を導入し家族サービスができる時間を増やすなどいろいろ考えられます。ただ当然、これら全てを一律に改善できるものではなく、自分達にとって必要な(働きやすくなる)こととは何かを検討し、可能な範囲で導入するということです。
“働きやすさ”はすでに多くの一般企業では検討・改善されていることであり、若手や家族持ちの人材の確保や継続的な従事にもつながっています。今まで「働きやすさ」を追求することなどできない、やれないと思い込んでいたいくつもの林業経営体が改善しはじめているのも事実です。それが経営であり経営者の役割だと意識を変えたからこそ実現したのだと思います。
次に「働きがい」の提供です。実は前記した「働きやすさ」の整備には当然ながら限界があります。それは大方の従業員も理解できるはずです。ただ、人は面白いもので「働きやすさ」を提供すると一時的に不満を抱かなくなりますが、すぐにその状況になれてしまい、「もっと○○であれば・・・」という思いに駆られていくものです。その時こそ重要になってくるのが「働きがい」です。「働きがい」とは、ある程度の責任を持たせる仕事をしてもらうことです。責任を持つことを嫌う人であれば“期待”という言葉に置き換えてもよいかもしれません。その上で、それを達成するための目標を持たせ、それを経営者(上司)と共有し実行させ、その結果(成果)を認(褒)めてあげることです。人は他者に認めてもらうことで達成感や満足感を抱き成長していきます。また次のステージに上がるための動機付け(モチベーション)にもなります。勿論うまくいかないこともあると思いますが、その時は何故うまくいかなかったのか、どうすればうまくいくのかを自分で考えさせることが大切です。(それが分かることも達成感になります)
実は「働きがい」は「働きやすさ」より重要だと言われています。今日の林業経営体においては、どちらも検証・整備されていないところがある一方で、「働きやすさ」だけ改善を試みているところも少なくありません。ただ、前述したように「働きやすさ」の追及には経営的にも人間の心理的にも限界があります。成長している林業経営体は、その時の経営体の業況、事情に沿った「働きやすさ」と「働きがい」のバランスを考えながら整備しているように思います。

林業の成長産業化を現実のものにするためにも、その原動力となる林業経営体が何を大切にして組織づくりを行なっていくのか。「働きやすさ」と「働きがい」と言う視点から見直していただきたいと思いますし、様々な場面で当社からも働きかけていきたいと考えております。
| spfarm | - | 16:14 | comments(0) | - | - | - |
緑のボランティア活動助成セミナー2019
昨年度に引き続き、今年度も2月16日(土)に「緑のボランティア活動助成セミナー2019」が開催されました。昨年度は、NPO法人森づくりフォーラムとの共催で2日間実施しましたが、今年度は、公益社団法人国土緑化推進機構の単体事業ということで1日のみの開催となりました。本セミナーの目的は「緑の募金」を活用し、新たな視点で多様な方々を取り込みながら森づくり活動に取り組み、成果を上げている団体の事例発表と情報交換を行い、森林ボランティア活動の拡大と推進に資することと、今後「緑の募金」の活用を考えている方々に対する助成プログラムの説明と個別相談の場を設けることです。
昨年度のセミナーでもそうだったのですが、ここ数年、森づくり活動を行う団体の活動内容や、参加する方々に大きな変化が見受けられるようになりました。私が森づくり活動に関わり始めた15年ほど前は、団塊の世代以下のいわゆるおじさん達が週末に荒れた森林や里山に入り、汗水たらして間伐や林内整備を行うという活動が主として行われていました。それはそれで森に対しても自分達に対しても意義があり、今でも継続している団体もあります。その一方で、木が成長し太くなることで、チェーンソー等の特殊な機械を使用しなければ間伐が困難になったり、参加者の高年齢化による体力の低下や、ケガ・事故の増加等様々な状況により、以前より簡単に木を伐るという活動に参加しづらくなってきているのも実態としてあります。

そんな中、昨今増加してきているのが、森のようちえんや木育、森林セラピー等、いわゆる森林や里山整備を主としない、森をツールやフィールドとして活用する活動を行なっている団体です。森での遊びを通じて子供の成長を促したり、親子や友達とのつながりを再認識したり、非日常での新たなコミュニティづくりのために森に入り、森を使うことで結果として森の整備に貢献している団体です。そして、その団体の中心にいるのが女性や子供とその親たちなのです。昨年も今年も、セミナーの活動報告の中心にいる人は女性です。だからと言ってはいけないのかもしれませんが、その活動内容も報告も楽しそうで、とても生き生きしていますし、何よりパワーが感じられます。

私は、このような活動を行う団体がもっと増えてくれば良いと思っています。「緑の募金」に寄付をしている人の中には、やはり森林や里山整備を主とする活動や団体に募金を活用してもらうべきだと考える人もいるかもしれません。ただ、今や都会だけではなく地方や山村地域に行っても、人やその生活の中で、森林がとてもかけ離れた存在になってしまっており、森林の問題への関心が薄まっている実態を鑑みると、先ずは森に入ってもらうこと、森を知ってもらうことが大切です。森林や里山整備を主としない活動であっても、そこに参加することで何かしらの“自分にとっての大切なこと”が発見できれば、森の価値にも必ず気づくはずです。それがきっかけとなり森への関心が高まれば、そこからまた森づくりに通じる新たな活動が生まれてきます。そう願って、私達は、これからもそのような活動のお手伝いをしていきたいと思います。
| spfarm | - | 11:32 | comments(0) | - | - | - |
体制やシステム強化より、人づくりを
ここ数年、企業、行政関連団体、教育機関等様々な分野の事業体による不祥事や事件(事故)が増えてきていると感じているのは私だけでしょうか?もちろん、報道は良いことよりも悪いことを取り上げる傾向が高いということは承知しておりますが、それを差し引いたとしても、それだけ取り上げるネタがあるということは事の重大さの大小はあれど、やはりそれだけの不祥事や事件が起きているのは事実なのだと思います。
その中で、特に社会的影響力の大きな事業体の多くは何度となく謝罪会見等を開き、発生の原因やその対(応)策について説明していますが、大方最後は「今後は、このようなことが起きないためのチェック体制を強化する」、「新たなチェックシステムを構築する」、「第三者による改善対策委員会等を設立する」etc・・・等“体制改善(強化)”や“新たな管理システムの導入”を以ってことの解決にあたると言って会見の幕引きをすることが多いように思います。

一見すると、“再発防止のため対策が取られるのであれば大丈夫”と安心、納得したいところではありますが、昨今は、取られたはずの対策がほとんど機能せず、再発あるいは新たな(もっと根深い)問題が発覚することも珍しくなくなってきているように思えます。
でも、何故そんなことが起きるのでしょうか?
そもそも経営陣にそれだけの管理能力が無かったということなのでしょうか。あるいは事業体の規模が拡大したことで効率重視(=コスト削減)が常に求められ、また責任の所在が分散し、全体を管理、ハンドリングできなくなっているということなのでしょうか。
いずれにしても、再発を防止するための新たな”体制“や”仕組み(システム)“をつくれば、不祥事や問題は起こらないはずだという経営陣の強い思い込み(すがり付くような希望が)あるように思えます。
ただ、いくら万全を期した体制や仕組みを構築しても、それを運用・管理する能力が足りなかったらどうでしょう。
「いやそんなことは無い!うちには優秀な部下がたくさんいる」と信じたい気持ちはわかりますが、その体制や仕組みを十分に運用・管理できるような教育を経営者自身が行ってきたのでしょうか?あるいは、少なくともしっかりと見続けてきたのでしょうか?

事業体にとって一番大切な人材育成(教育)も、誰かがつくった体制や仕組みの中で行われてきたのであれば、日々変化する社会動向の中で、その事業体にとって本当に必要な能力を持った人が育成されているのだろうかという猜疑心を持つこと、あるいはそれを確認することが経営陣には必要なのではないでしょうか?
「そんなこと、小さな事業体の経営者であればできるかもしれないが、大所帯の事業体の経営者には他にやることが山ほどある!」、「社内にできる人材がいなければ他から引っ張ってくればいい!」と反論する方もいるかと思いますが、人は知識や経験、技術の有無だけではなく個の事情や感情で心が様々な方向に揺らぐものです。その心の揺らぎが(故意・過失に関わらす)判断を誤り不祥事や問題を起こしているとも言えます。事業体(組織)を機能させていくためには体制や仕組みづくりは勿論必要です。故に、理想的な体制や仕組みを掲げ、そこに無理に人を括りつけるのではなく、その事業体(組織)の中でどのような能力を持った人が必要なのかということを確認し、そのための“成長が見える人づくりのあり方・かたち”を構築することが重要なのだと思います。経営陣が心から自分達(個人)を大切に育てようとしていること、システムよりも人づくりを重視していることが実感できる事業体になれば、不祥事や問題は減っていくものと思います。人材不足である時代だからこそ、“人づくり”とはどういうことなのか真剣に見直す必要があるのです。
| spfarm | - | 15:15 | comments(0) | - | - | - |
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