寄り合いひろば

森林と里山の保全・有効活用を本気で考えるブログ
S.P.FARMが提供する当ブログは、 森林を取り巻くさまざまな立場の方々とつながり、森林と里山の保全・有効活用を実現する「寄り合い」の場です。
S.P.FARMは 都市と農村、企業と森林をつなぎ、新しい “森林活用のかたち”をご提案することで、 日本の森林・里山を有効的に活用する新しい社会システムの構築をめざします。
  「企業との連携による森林再生・活用プロジェクト構想」http://www.sp-farm.com/moriduku.html(S.P.FARMのHP内)も是非ご覧ください。
今年のふりかえりと来年に向けて
早いもので2011年ももうすぐ終わりを迎えようとしています。
今年も当社のメルマガ並びに寄り合いをご愛読いただきありがとうございました。

この一年を、当社が関わらせていただいた事業という視点でふりかえってみますと、最も多くの時間を費やしたのは森林・林業に係る研修事業でした。森林施業プランナー育成研修、フォレストマネージャー研修、フォレストリーダー研修、准フォレスター研修他、ファシリテーターとしての参加のみならず、研修運営事務局として全国各地を走りまわっていたように思います。

研修事業の中でもっとも印象深かったのは、社団法人国土緑化推進機構から委託された、全国の森づくりに携わる市民団体の方々を対象とした「間伐材利用コーディネーター養成研修」です。
それは、忘れもしません。3月11日。都内の築地市場の前に立つ朝日新聞社ホールで、研修初日の講義の最中に東日本大震災が発生しました。研修に参加された方々は皆無事でしたが、2泊3日で計画していた研修は即中止となりました。地震直後にワンセグで見た岩手や宮城での津波の映像はとてもショッキングで、研修事業でお世話になったこの地域に住む方々の顔が次々に脳裏に浮かんできたことを覚えています。後に、その中のお一方がお亡くなりになったことを聞かされました。とても残念でなりません。
東日本大震災は森林・林業の世界、そして研修事業にも大きな影響を及ぼしました。津波や原発事故で壊滅的な被害を受けた森林組合や民間事業体、製材工場が数多くあり、そのほとんどが復興の目途が立っていません。廃業を選んだ事業体もあります。過去に研修を受け、高い能力を身に付けたにも関わらず転職を余儀なくされ、また、今年度の研修参加を見送らざるを得ない方々や地域が数多くあります。ようやく動き始めた「森林・林業再生プラン」も、この地域においてはマイナスからの出直しです。それでも昨今、山の資源の大半は残っているということもあり、地域社会の復興に向けた林業への取組みが少しずつですが始まってきています。
来年は、この取組みを日本全国の力を借りて加速化させていくことが重要であり、これを実現することで被災地域、さらには日本の林業をよみがえらせるきっかけになるものと信じています。

それを担うのはやはり“人”。企画・設計する人、人と人、地域や様々な事業体をつなぐ人、確かな技術と知識を持って実際に施業に携わる人、このような“人”をどのように育成していくのか、そのビジョンをしっかり固め、今後の人材育成事業の中に反映させていくことが重要です。
当社でも、これまで多くの研修事業に携わることができたという経験と責任において、研修事業における反省点、改善点を明確にし、今後、行政、企業、市民団体それぞれに様々な働きがけを行っていきたいと考えています。

皆様、これからもご支援の程、宜しくお願い致します。
| spfarm | - | 10:19 | comments(0) | - | | ログピに投稿する |
森林や里山保全への企業の関わり方
 当社では、会社を設立した1999年からずっと日本の森林や里山を保全するために、特に川下の企業や住民が関わっていくことの重要性を唱えつつ、そのための施策づくりや人材育成等に関わってきました。過疎化により大きな意味での社会力が衰退した山村地域には企業の経済力とマンパワーが一時的に必要であること、川下の企業、そしてそこで暮らす多くの住民すべてが、川上にある森林や里山の恩恵を受けているということ、そのありがたみを忘れず、それを自ら守って必要があるということへの気づきや行動を促していくということが目的です。心同じにする仲間もたくさんあり、また賛同者も増え、昨今では多くの企業と市民が日本の森林や里山保全に関わるようになってきました。

関わり方も様々で、都道府県や市町村のいわゆる「企業の森づくり制度(ある期間、一定の面積の山林等の植林・育林費用を企業が負担するかわりに○○会社の森と命名できる契約制度)」を利用する方法から、地域のNPOとの協働事業として手を組む方法、従業員やその家族等も一緒に参加する方法等々です。特に「企業の森づくり制度」に参加する企業は急激に増えてきました。只、「企業の森づくり制度」の契約期間の多くは5〜10年程度。以前当社が契約期間満了後についての対応をいくつかの企業にヒアリングしたところ、「地域にお返しする」と言った意見が多く聞かれました。確かに最終的にはそのような形になるでしょう。但し、どのような形で返すかが重要な問題です。CSRとして企業が森林や里山保全に取組む以上、その地域の中で継続的にその資源を守り活用できる仕組みを地域と一緒につくって返す必要があると思います。そこまでが企業の責任です。森林や里山保全に取組む企業のご担当者の方には是非とも真剣に考えていただきたいと願っています。

当社もその中の一社であることは言うまでもありません・・・。
| spfarm | 企業と森林の関わり | 10:47 | comments(0) | - | | ログピに投稿する |
獣害
京都駅から在来線で約1時間のところに、森林施業プランナー育成研修を実施している日吉町があります。駅の周辺にはコンビニ等や娯楽施設など一切無い非常にのどかな山村地域です。研修自体は日吉町森林組合の施設内で実施していますが、宿泊はさらに車で10分ほど山奥にある「山の家」というところです。

先週のこと、朝の5時頃、鹿の「キュゥ〜ン、キュゥ〜ン」というけたたましい鳴き声で目を覚ましました。極近くの場所であまりにも長い間鳴いているので行ってみると、立派な角をもった大きな雄鹿が、民家の畑の防護ネットにその角を絡ませ、それを外そうと必死にもがいているところでした。この近辺は相当数の鹿がおり、畑や田んぼを荒らし、ヒノキの根元の皮を剥がし食べてしまいます。その被害は甚大なものです。鹿は彼らの天敵であったオオカミが日本から消えたときからどんどん増え、樹木や農作物に大きな被害をもたらすせるようになっています。ここ日吉ではこの問題は深刻なもので、対策に非常に苦労しているとのことです。無論、一般市民が簡単に駆除することなどできるはずもなく、広範囲に細かく防護ネットを張り巡らせて対応するしかありません。今回、角を絡ませたネットもその一部です。確かに目の前でもがき苦しみ暴れる鹿を目の当たりにするとそれはそれで辛いものがありますが、手を出せるはずもなく、ただ、宿のオーナーに町役場が始まる時間を待って連絡してもらうしかありませんでした。その日は研修最終日の朝でしたので宿に戻ることは無く、その鹿がどのようになったかは聞いていませんが、ネットから外されそのまま山に帰されるというようなことは恐らく無いでしょう。

鹿対策についてはほぼ全国的な問題で、時期を決めて猟師等が駆除にあたっている地域もあります。
鹿のほかにも猪や熊、猿など人がつくったものに手をつける野生動物に対する対策については、これまでにも各方面で相当議論がおこなわれており、それぞれの立場で見解は異なるかと思いますが、山村地域で暮らし、その土地の恵みで生計を立てている人々にとってはやはり野生動物との戦いは避けて通れないことでもあり、両者がうまく共存できる術を人間が講じていかなければなりません。
言葉で表すように簡単なことではありませんが・・・。


改めて、人と野生動物との関わりについて考えさせてくれた日吉の自然に感謝!
| spfarm | 山村地域と都市を繋ぐ | 15:29 | comments(0) | - | | ログピに投稿する |
今年もやります!森づくり体験セミナー
 毎年秋に実施してきた『森づくり体験セミナー』も今年で7回目を迎えました。実施してきたと言っても当社の事業として行ってきたのではなく、理事として関わっている“NPO法人みんなの森づくり協会”が実施してきたものです。


都市近郊の社会人・学生を対象にしたプログラムで、間伐することで森を守ることに繋がること、さらには都市近郊の森林を守っていくことの重要性を知ってもらう事を目的に、荒廃した人工林の間伐体験を中心に、蕎麦打ちや芋掘り、山村地域の方々との交流会等1泊2日の日程でこれまで行ってきました。

今年は協会の資金難や事前の調整不備等もあって、一時は実施を取りやめることも考えましたが、実行委員の皆さんの熱い思いもあり、何とか日帰りコースで実施することにしました。実施は11月5日(土)を予定しています。開催場所は茨城県石岡市。朝8時に東京駅に集合し、貸切バスで現地まで移動。つくばね森林組合の指導のもと、手鋸を使って間伐作業を実施します。昼食は参加者全員で蕎麦を打って食べます。帰りには、近くの産直場で新鮮な野菜や果物等を買って帰ります。正しく間伐体験初心者にはうってつけのセミナーです。参加費や募集要項等の詳細は未定ですが、決まり次第当社のHPのイベント・セミナー案内に掲示する予定です。
| spfarm | 山村地域と都市を繋ぐ | 16:12 | comments(0) | - | | ログピに投稿する |
森林施業プランナーが全国で活躍しています
平成19年度から開始され、これまで関わってきた「森林施業プランナー育成研修」も、今年で5年目をむかえ、多くの研修修了者が全国各地で研修の成果を日常業務の中で果たそうと努めています。

只、森林施業プランナーが中心になって行う「提案型集約化施業」は、これまでほとんどの林業事業体が取り組んだことの無い新しい事業であり、個々の能力の未熟さもあり、上司や同僚等組織の理解が得られず、当初の三年間は一部の事業体を除きなかなか結果を出せない、また全国的に拡がっていかないという状況下にありました。


ところがここ一、二年、各所でじわじわと研修の成果が表れるようになってきました。一見足踏みをしていたように見えたプランナー候補者の皆さんも、見えないところで自己研鑽し、着実に力を付けていたのです。


その力を発揮するきっかけ、あるいは力の原動力となったのが“研修の受け入れ”でした。
それまでは、モデル組合と言われる提案型集約化施業に先駆的に取り組んでいた森林組合を拠点として実施してきた研修を、次点で頑張っているプランナーを抱える事業体にお願いし、運営いただいたのです。
それまで受講する側でいた事業体が研修生を受け入れ、一部講義を受け持ち、また現場研修の説明・指導等を行うということになるのですから、組織を挙げて何とか受入体制を作らなければなりません。間違ったことや、いい加減なことを伝えるわけにはいきませんから、必死で資料をまとめたり、現場の作業員とも何度も打ち合わせし調整を図ります。研修の受け入れは想像以上にその事業体、担当プランナーに力をつけさせます。まさに真剣勝負のOJTなのです。実際に研修を受け入れたすべての事業体がそのように言われます。


私は、それで良いのだと思っています。
提案型集約化施業の推進、あるいは森林施業プランナーの育成には、研修に参加するだけでは駄目なのです。研修に参加した後に、どのようにして取組んでいけばよいのか悩み、考えながら自己研鑽し、それをOJTの場で何度も試し検証すること、さらには、今度はそれらを人に伝えてみること。その繰り返しが大きな力となっていくのです。
それは、他の事業の推進や人材育成でも同様です。


これからどれだけ多くの森林施業プランナーが育っていくのか、非常に楽しみでもあり、また今後も、影のサポート役として支援し続けていきたいと思っています。
| spfarm | - | 13:07 | comments(0) | trackbacks(0) | | ログピに投稿する |
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